すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

桃太郎と私

2010年11月11日 | 教育ノート
 桃太郎と私

 なんだこの題は!?と思いながら、書き進める楽しさよ。

 担任をしていた時に、桃太郎をもとにしたパロディっぽい脚本を書いたことがある。学習発表会での劇である。
 題名は「ももたろう、めめたろう」。
 桃から双子が産まれるという設定だった。
 2,3年生の複式学級を受け持っていたときで、2年と3年に同じ名前の男児がおり、その二人を兄弟に見立てた物語だった。
 細部までは思い出せないが、鬼が島で鬼たちが踊っている場面で当時流行っていた「ジュリアナ東京」などを登場させ、観客の爆笑を誘ったという華々しい!思い出がある。

 次の学校では、職員劇での登場だった。
 これには浦島太郎や花咲じいさんなども登場し、王様の前でだれが心豊かかを競う筋立てだったが、桃太郎の場面での審査における「切り返し」は、
「では、鬼はどうなる。鬼の立場はどうなんだ」
といった、実に渋いものだった。
 桃太郎を「侵略者の象徴」と見立てた、かの芥川龍之介と肩を並べたレベルの高さ(笑)であったと思う。
 もちろん、子どもたちの劇をしのぐ好評さであった。(それでいいんかい!と一人突っ込み)

 そして、今回の三度目。
 ひどくまともに全校集会で語る続き話を作ってみた。

 粗筋のもとになるネタが、先月新聞に載っていて興味を覚えた。
 宝物を分けてもらった村人たちが働かなくなって…という展開である。
 勤労感謝の日がある11月としては、なかなか時宜を得ているのではないか。
 童話的な語り口で書いたことは、今まであまりなかったが、子どもたちがしいんとなって集中して聴いてくれたことが嬉しかった。
 桃太郎ネタとしては、初めてまともな?バージョンとなった。

 ともあれ、こうした昔話素材の扱いやすさを感じる。
 多くの子が知っているという事実があり、人物としてシンプルであるので、様々な付加要素をつけることで、広がりある展開を生み出せる。
 「伝統的な言語文化」という観点からいけば、数々の問題はありそうなのだが…。

 まあそれはとにかく、他にも考えられる素材も数々あり、教材開発としても面白いのでないか。
 なかでもやはり桃太郎が一番なのかなあと思う。

 どこが「桃太郎と私」なのか。

 桃太郎と私は、ずいぶん違うというぐらいしか思い浮かばない。