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学力向上フォーラムで考える

2010年11月23日 | 雑記帳
 「学力向上県民フォーラム」という催しがあり参加した。

 (いくつかの報道↓)

 http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/news/detail.php?id=20101122174519

 http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20101121d

 http://mytown.asahi.com/areanews/akita/TKY201011200239.html

 午前は授業公開。午後からパネルディスカッションがあり、そのテーマは「秋田と福井の教育 徹底討論!」というものだった。
 パネリストとして、秋田大の阿部昇教授、福井県から牧野義務教育課長、そして小学館の矢ノ浦記者という三名が登壇された。

 なにしろランクとしては「全国トップ」の二県であるので、お互いに褒め合いのような形になるのは仕方ないかもしれない。
 まして「当たり前」と感じてやってきた教職員が多いなかで、そこから得られるものはどれほどのものかと若干首を傾げたくなるが、いくつか納得できた点、考えさせられたことがあったのでメモしておきたい。

 全国学力テストのランクが高いということは、おそらくやっていることは似かよっているのだろうという予想がつく。いくつかの共通点が出された。
 しかし興味深いのは相違点だ。

 阿部教授は、施策としての人的な配置を、学習面では秋田がTT重視、福井が少人数指導、習熟別重視と分けた。この発想の違いも突き詰めてみれば面白いだろう。
 そしてこれは、矢ノ浦記者が「秋田~農村型の教職員風土~内向的、同一歩調…」、「福井~商工型の教職員風土~外向的、一工夫してしたい…」などという仮説を立てたことと大きく重なるように思えた。

 さて「トップ層(全問正解者)の育て方」という話題になったときに、阿部教授が、授業改善のことはもちろんとして「宿題から家庭学習、自学などへのステップ」を挙げられた。なるほどと思いつつ少し気になっていたことが頭に浮かんだ。

 宿題で習慣づけて、徐々に自分で内容を決めて取り組む形にしていることが、様々な問題への対応力も育てているのではないかということはわかる。
 ただそれが、例えば「苦手な漢字の書き取り」「難しい計算式の練習」というような弱点補強が中心だとすれば、あるいはテストの類似問題への取り組みだとすれば、それは少々さみしいことだ。

 もちろんかつて自分も特定の子に特定の内容を指示して集中して行わせたこともある。計算が苦手な子、視写が極端に遅い子…何人かの顔が浮かぶ。
 しかし、「自学」という場合はやはり子どもの意欲を喚起する内容を半分は取り入れていくべきだと思う。そうしてやってきたつもりだ。

 理想は、その日の授業との連動であろう。
 発展的な調べ学習や自己発見的な内容になったら素晴らしい。
 それが駄目なら、得意なこと、好きなことの継続である。
 そのために教師はもっともっとメニューを豊富に提示していけることが求められる。
 そうやってこそ、家庭学習において子どもは意欲を高めるのではないか。

 学ぶ意味をあまり手近に求めるような習慣をつけてはならないと思う。