すぷりんぐぶろぐ

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情報代謝を続ける

2011年07月12日 | 読書
 続・ちょっと面白い本。
 そうそう、書名は『情報のみかた』(山田奨治 弘文堂)である。

 昨日の正規分布のことに続けて、この本では「ものごとを調べる方法」を大きく二つに分けて、次のように呼んでいる。

 95パーセント法と5パーセント法

 初めて知る言葉で、検索してみても出てこないので、筆者独自の名づけだと思うが、ある面わかりやすい。

 つまり、95パーセント法は全体像を調べる方法、5パーセント法は特別な例について深く調べる方法。そして95パーセントは一定数を抽出するし、5パーセントはほとんどすべてのサンプルを調べる。

 調査の目的によって、方法選択があるわけだが、この二つの考え方というのは、ぼんやり考えれば個人による物事の見方とか嗜好の違いに関わるような気もする。
 だからこそ、筆者のこの文章も、いわば情報処理についての大きな原則なのだと思う。

 ふたつのちがう考え方があって、どちらのこともよく理解し、場合に応じて自由自在に使いこなすことができるようになること

 ふと、授業研究にも応用できないかなという考えが、頭をよぎる。授業を見るときの観点など軽く100はあると思うし、その中から抽出して…5パーセント法の一種に「事例調査」という手法があることも載っていた。実際にやっていることなのかもしれないが、そういう見方をすると幅が広がる気がする。


 その他、興味深く思ったフレーズをメモ的に列記しておく。

 「データの欠損」…集まったデータに欠損がないか疑うこと、もしそれを感じたらどうしてそうなのか考えること、これは重要だ。

 「寿出世双六」…江戸時代の終りごろに作られたすごろくらしいが、当時の職業イメージがわかる。

 「情報代謝」…いわゆるインプット、アウトプットですな。代謝という言葉をつかったところが新鮮。

 こんな拙文でもそのつもりです。