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名づけとは祈りです

2011年07月20日 | 雑記帳
 沢 穂希

 まさに「時の人」である。
 テレビで連呼された「サワ ホマレ」という名を聞き、文字で出てくる「穂希」と重ねたとき、理解するのに多少の間があった。

 「穂」はその通り。しかし「希」の方は読むには読むが、めったに「まれ」とは読まない。「稀」が一般的だろう。
 字面を考えての「希」だろうか、「希望」という連想もおおいに働くからか。

 それにしても「希」の「まれ」という意味はなにゆえか。
 調べてみた。

 「希」は象形文字である。

 爻(コウ)と巾(キン)の組み合わせで、糸を交差させて織った布を表している。
 手元にある『常用字解』(平凡社)と『漢和辞典』(学研)で、その部分は同じであるが、もともと「まれ」という意味を表すという解釈が違っている。

 まれの意味に用いたが、それは布の織り目があらいからであろう(字解)

 すきまがほとんどないことから「少ない」「まれ」という意味になり~ (漢和)


 字解の、織り目があらいから「まれ」というのも変な気がするが、「すかし織りの布の形」と限定しているところから、その織り方そのものを指しているという解釈なのかなとも感じる。
 学研の漢和の方が意味としてはしっくりくるなあ。なんせ続けて書かれていることがこうだから。

 小さいすきまを通して何かを求める意味になった

 あの同点に追いついたゴールといい、沢選手の生き方そのものといい、まさに「希」としか言いようがない。

 しかも「穂」と合わせてそれを「ホマレ」と読ませるとは…なんという符合だろう。

 やはり名付けとは祈りです。