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なでしこは阿修羅のごとくなり

2011年07月18日 | 雑記帳
 なでしこジャパン世界一の余韻が醒めぬままに、そのままテレビに向かってビデオ鑑賞をする。
 NHKのアーカイプとして放映された『阿修羅のごとく』(1979年)である。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E4%BF%AE%E7%BE%85%E3%81%AE%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%8F
 
 ずっと以前もその再放送を見たような記憶はあるが、向田作品はやはり何度も見たいと思わされる。

 『阿修羅のごとく』の映画版を観て、メモを以前のブログに残しておいたのは2005年の正月だった。
 そこでは、器械運動の思い出をセリフに入れてくる巧みさに感心したものだった。
 「平均台がうまく渡れなくて」という一言によって、三女の生きかたそのものを想像させるところなど、さすがとしか言いようがない。

 今回のテレビ版も改めて観るとなかなかであり、やはり女の生々しさというか、したたかさを十分に感じさせてくれた。
 反面、登場する男の情けなさは、これもチクチクと心に刺さっていくようだ。

 この構図が日本のスポーツ界の現状でもあるか、と無理やり時事ネタに持っていこうとしているわけではない。
 
 とにかくそのドラマでは、登場する「女」の情熱のぶつけ方や仕舞い方、切り換えのはやさや平然と見せる仕草など、四姉妹と母を含めた五通りのパターンが描かれる。
 それに比べて男どもにはそうした、テキパキさというものがない。熱はあるのかもしれないが、どこか決定的なものに欠ける。

 ほらね、やはりこれはこの国の様々なことに通じているではないか。
 サムライという形容はいつの時代のものか。

 それにしても、向田さんは偉かったなあ。