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教育欲のある人の言葉

2012年08月22日 | 雑記帳
 「素直な心が一番の才能である」

 本県のプロバスケットボールチームのヘッドコーチである中村和雄氏の講演を聴いた。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%92%8C%E9%9B%84_(%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB)
 バスケに詳しい方なら知っているだろう。実にアグレッシブな印象がある指導者で,昨年本県に招かれ最初のテレビ放映があったときなどは,ゲームよりこのコーチの動きを映している時間が多かったのではなかったか,と思うほどである(あくまでも印象です)。

 どんな話をするか楽しみにしていたが,講演としてはやや散漫な内容,構成だった。しかし,所々に面白いエピソードがあり,思わず,エエエエッッとのけぞるような話題も…。

 20代の頃に長崎の女子高に赴任した中村氏の意識は,常にこうだったという。
 「練習したい,体育館に行きたい」

 教師として授業はするけれども,それ以外の校務分掌などは極力携わらない工夫(?)をしたという話には,笑わされ,ある面驚かされた。
 今の時代はそれを許さなくなってきているだろうが,まさに熱き競技スポーツ指導者の典型をみる思いである。

 教育の場から離れれば,ある意味フリーに自分の考えで推し進めていくことができそうに思う。しかしこの国全体の風潮はどこか常に学校的であり,中村氏の発想はやはり異色であろう。

 昨年の3.11が,本県へ帰るきっかけの一つだったという。
 先日,岩手沿岸部へ選手共々慰問し,それは断られるまで継続したいとも言った。
そして,続けてこんなことまで語ってしまう。

 「ぼくは打算的だから,慰問したら選手の心が強くなって,ゲームで3,4点は点数が上がるんじゃないかと思っている。」

 ここまで心情を吐露できるのは,やはりバスケットボールに対する愛情だろうか。
 最後の方で「サッカーをやっていりゃあ良かったなあ(注目度が高いという意味で)」などとリップサービスで聴衆を笑わせたが,もしかしたら,この人の本質は「教育熱」「教育欲」なのかもしれないと最後に思った。
 それが72歳の今も情熱あふれる姿でコートに立つ原動力に違いない。

 そして,そういう人の話には,いつも冒頭に掲げた言葉が語られることにも気づかされた。