すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

在りすぎについていけず

2015年12月08日 | 雑記帳
 閉校式典を終え、日曜と振替の休みを使って職員旅行に出かけた。行先は「花の大東京」である。もちろん今は花咲く季節ではないが、銀杏を中心にまだ紅葉が楽しめる。気温にも差がある。全体的な「光」の量にはいつ行っても唖然とするしかなく、まったくそのギャップを味わうために出かけているようなものだ。


 見聞体験をいくつか拾ってみる。初日お昼の自由行動時間に、上野の寄席に入った。わずか1時間半ほどで、名の知られている芸人は出ておらず、それがまた新鮮だった。日曜お昼で観客の年齢層はまちまちで、笑いに差が際立つ。認知度を上げるためには、ターゲットを絞るか、客層拡大のネタを練るか、どちらかだ。


 二日目の朝に首相官邸、国会議事堂近辺を歩く。それにしても警備が物々しい。考えてみれば当然か。常にテロ対策なのだ。皇居前に行くと一部開放があるということで、凄まじいほどの行列が動いている。休日でもないのに圧倒的な数、間違いなくここは日本の中枢であり、諸外国から見ると典型的な風景なのだと思う。


 お昼前に歌舞伎座に行き、一幕見席に入る。すでに立ち見しかできなかったが、4階から見る姿も刺激的だ。田舎者ができないことの一つに「掛け声」がある。比較的近くに声の主がいるようだ。気合いの入った強い声ではないが、絶妙のタイミングだ。3,4階から掛けるからこそ「大向こう」と言われることを知った。


 昼食はカレーうどんの名店へ。もう何度目になるだろう。不味くなったわけではないが、やはり初めて来た頃の感激はない。味だけではなく、慣れとは怖いものだ。少し批評的に書くと、だからと言ってメニューを増やしたからといって、リピーター客には受けまい。ここでしか出せない味を突き詰めていくべきだ。


 歩いた、歩いた。いつもながら都会へ出ると移動のための歩行は半端ないほどだ。大きな文房具店での手帳や書籍選びを楽しみにしていたが、足が疲れきって集中力を欠き、早く切りあげた。手帳探しで言えば、たくさんの種類から選べる幸せは確かにあるが、在りすぎると本質以外の要素がだんだん拡がっていく。