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煌言30~選択で力はついたか

2016年02月22日 | 読書
☆世の中全体でプログラム化が進んで、あたかも自分で選んだかのようにして育ってしまった子は、ちょっとでも依存できる対象が欠けたときには、不安でしょうがなくなる。一見正解を教え込まれてないはずの子どもたちのほうが依存性が出てきてしまうとしたら皮肉な結果です。
 苅谷剛彦『欲ばり過ぎるニッポンの教育』(講談社現代新書)


 「選択」の時代と言われてから久しい。
 しかし、現実に「何を」「どのように」選んでいるか、そしてその結果に対して「どんな学び」が準備されているか…と考えてみると、その筋道はひどく固定化している印象を持ってしまう。

 正答主義と言われた時代には、よくも悪くもそれなりの緊張感を通した学びがあったように思う。
 それを多少緩くして間口を広げたけれど、結果出口はあまり変わらない状態だったりしているのではないか。

 選ぶことの楽しさから始まるにしても、最終的に選ぶことの難しさを感じさせない学習では、子どもたちは力を身につけられない。