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美の国秋田の女性目線

2017年03月10日 | 雑記帳
 先日、親族で小宴をしていた折、「あの人ケナダレエグなって…」という聞き慣れない方言が出て、ひとしきり話題になった。あとから気になり『秋田のことば』を調べた。「けなだれ」とは「①血筋。毛並み②品柄。種類」とある。そして離れたページには「けなだりわり」が「生気がない」と記されているばかりだ。


 結局「けなだりえぐ(いい)」という見出しは載っていない。使い方のニュアンスとしては「見かけがよくなって」だった。しかし、本来?の意味によると「血筋がよくなって」と解釈され、当てはめるには無理がある。牛馬等が丁寧に世話をされ「(表面の)毛並みがよくなって」の意味が拡大して、人にも適用されたか。



 また「けなだりわり」の意味を反転させて「生気が出てきた」ことを含めて「けなだりいい」と表した可能性もある。さて、その話題に絡んで出てきた言葉の一つに「きさじまげる」がある。これはかなり浸透していて?「かっこうつける」意味だとほとんどわかっていた。『秋田のことば』には「おしゃれする」とある。


 この語源が面白い。漢字で書くと「気散じまける」。「まける(ORこく)」は言う、行うという意味である。「気散じ」は広辞苑にも載っていて、いわゆる「気晴らし」のことである。その解説が断定的である。「気晴らしの中でも主要なことと言えばおしゃれをすることである」これはかなり女性目線ではないかと思う。


 「きさじまげる」のページで驚くのは「おしゃれする」という意味の方言があまりにも多いことだ。「こべたげる」「ひょろける」など見出しになっている言葉だけで9つもある。さすが秋田美人の国と言うべきか…しかし、それらの表現は、どうも「めがす(めかす)」ことへの非難が強いようだ。これも県民性なのか。