とある役所に出向いて、とある部署の一室を訪問した。
今までに一度も入ったことがなかったスペースだったので、持ち込んだ書類を見てもらっている間に、ついキョロキョロしてしまう。
係の方の机上にゴム印の入った箱があり、部署に関わる名称や地区名などの印が、やや無造作に置かれてあった。
かつては学校でも、氏名印や成績に関する印などが使われていて、少し懐かしい気持ちが湧く。
ふと見ると、実に興味のそそられる、少し大きめの印が横になっている。
「第1の鍵」
そして、少し離れた隣には、
「第2の鍵」
なんだ。
ゴム印にする必要性があるものだろうか。
つまり、一度に何度も押す、しかも押すスペースが決まっているようなもの…
そもそも「~~の~~」という表記が、ゴム印らしくない気がする。
では英語にしてはどうだ。
「ファーストキー」
「セカンドキー」
あまり意味がないか。
何かの鍵の順番を示すことは間違いないが、それであったら、「鍵番号」という欄を作り、その枠内に「1」とか「2」とか書けば済むのではないか。
「第1の」「第2の」と書く意味は、はたしてなんだ。
偉そうである。
きっと、重要なことをアピールするために、ただの「1」「2」ではなく、「第1の」「第2の」と付けた。
順番だけは間違わないように強調したのだろうか。
普通の金属ではなく、貴重な材質を使って作っている鍵だろうか。
もしかしたら一つの錠を開けるために、違う種類の鍵を順番に使うのかもしれない。
そうしないと開かない部屋には、いったい何があるんだ…
と、もはやゴム印の問題から、その鍵自体まで妄想が及ぶ。
「はいっ、これでいいですよう」
係の男性から声をかけられる。
「あの、この第1の鍵って…」などとは訊けない。
「ありがとうございました。」
と何事もないように、にこやかに御礼を述べる。
この件に関する「鍵」を見つけられないまま、退室することになる。
あの箱の中に、「第3の鍵」と書かれた印があるかどうかも、定かでないまま…。
と、今読んでいる宮沢章夫のエッセイ風に、どうでもいいことを書いてみました。
今までに一度も入ったことがなかったスペースだったので、持ち込んだ書類を見てもらっている間に、ついキョロキョロしてしまう。
係の方の机上にゴム印の入った箱があり、部署に関わる名称や地区名などの印が、やや無造作に置かれてあった。
かつては学校でも、氏名印や成績に関する印などが使われていて、少し懐かしい気持ちが湧く。
ふと見ると、実に興味のそそられる、少し大きめの印が横になっている。
「第1の鍵」
そして、少し離れた隣には、
「第2の鍵」
なんだ。
ゴム印にする必要性があるものだろうか。
つまり、一度に何度も押す、しかも押すスペースが決まっているようなもの…
そもそも「~~の~~」という表記が、ゴム印らしくない気がする。
では英語にしてはどうだ。
「ファーストキー」
「セカンドキー」
あまり意味がないか。
何かの鍵の順番を示すことは間違いないが、それであったら、「鍵番号」という欄を作り、その枠内に「1」とか「2」とか書けば済むのではないか。
「第1の」「第2の」と書く意味は、はたしてなんだ。
偉そうである。
きっと、重要なことをアピールするために、ただの「1」「2」ではなく、「第1の」「第2の」と付けた。
順番だけは間違わないように強調したのだろうか。
普通の金属ではなく、貴重な材質を使って作っている鍵だろうか。
もしかしたら一つの錠を開けるために、違う種類の鍵を順番に使うのかもしれない。
そうしないと開かない部屋には、いったい何があるんだ…
と、もはやゴム印の問題から、その鍵自体まで妄想が及ぶ。
「はいっ、これでいいですよう」
係の男性から声をかけられる。
「あの、この第1の鍵って…」などとは訊けない。
「ありがとうございました。」
と何事もないように、にこやかに御礼を述べる。
この件に関する「鍵」を見つけられないまま、退室することになる。
あの箱の中に、「第3の鍵」と書かれた印があるかどうかも、定かでないまま…。
と、今読んでいる宮沢章夫のエッセイ風に、どうでもいいことを書いてみました。