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唐突に年度末挨拶

2017年03月31日 | 読書
Volume44

「日本は全体計画を構築するのは苦手で、局所的な対応策を精緻に構築することには長けているということだ。(略)これが国民性や民族性、あるいは遺伝的要因のようにかなり深いところで規定されている性質なのだとすれば(略)無理して長期的な社会設計を確固たるものにしようとするよりも、その都度その都度の対応でやっていける程度の規模の展開にとどめることを考えた方がいいのではないか。」


 佐倉統東大教授のことば。生態学や霊長類学を専門にしながら、科学技術社会論などに研究の中心を移しているという学者のようである。
 「『便利』は人間を不幸にするのですか?」という連載論文を読んだときに出会った文章である。



 教職に就いていた経験をもとに語ってしまうが、いわゆる教育施策と呼ばれることや、その他諸々の「上」からの通知なども、ある意味では「長期的な社会設計」を意図しているだろう、と思う。

 そうした一つ一つを批判するつもりはないし、方向として賛同できるものもあるのだが、多くの場合それらが示された後にある「ご指導」なるものが結構邪魔だなあ、惑わせているなあと、何度も思った。


 一言で言えば「現場を信じろ」ということ。
 計画を鑑みながらの「局所的な対応策」は「おてのもの」なのです。

 さらに言えば、「上」が指導助言と称して現場に携わっている者の裁量を狭めるような行為は、教育を歪める危険性を多分に持っていること。
 方々にその自覚をしっかり持ってほしいと切望します。

 多くの頑張っている現場教員にエールを送り、年度末のご挨拶といたします。