すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

お騒がせも表現志向なり

2020年01月06日 | 読書
 大人向け絵本紹介のサイトにあるのは、圧倒的に翻訳モノが多い。日本人作家は…取り上げられているのは、数年前から話題になっている、お笑い出身の彼の絵本だった。2冊続けて読んでみた。


 【えんとつ町のプペル】にしのあきひろ



 素敵な絵本だ。ストーリー、色使いや画面構成なども魅力を感じた。ただそれ以上にびっくりするのは、youtubeで検索すればわかるように、多彩な展開だ。主題歌?や朗読劇、さらに弾き語りなど多くの公式?サイトがあり、絵本を読まなくとも(笑)十分楽しめそうだ。いやだからこそ、本を手にする意味もわかる


 【ほんやのポンチョ】にしのあきひろ



 こちらも検索したら、歌は作られていた。後は読み聞かせで紹介している人が多い。「しるしの書店」というキーワードのあるこのお話は「えんとつ町~」よりは童話っぽい。「本」をモチーフにしている新しい寓話とも言える。特徴的な七五調の繰り返し。前作もそのリズムを入れ込ませていたが、こちらは徹底していた。


 詳しくは知らないが、ずいぶんとお騒がせイメージの作家西野である。ただ話題性だけでなく、才能があるからこそベストセラーを出せるのだと思う。本人の表現志向はどんなふうに展開していくか、ちょっと見定めにくい。いずれ一定の読者を得ているとは思うし、独特の世界を作りだしてアピールし続けてほしい。