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暖冬の年、2月に語る

2020年01月12日 | 教育ノート
 2007年の2月の全校集会だった。
 児童数は70人ぐらいだったかなあ。懐かしい。

 ボードで出す予定の言葉や数字に下線を引く準備もしている。
 この原稿はローカル&限定的話題だから、雑誌等には載せていないはずだ。
 
 (長文です)

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 「暖冬」…読めますか。ダントウ、暖かい冬ということです。
 今年は、記録的な暖冬と言われました。どのくらい珍しいか、というと60年に一度くらいと言われています。
 たぶん、みんなのお家の誰に聞いても、こんなに雪の降らない冬は初めて、という声が多いんじゃないでしょうか。

 「気象庁」という、お天気のことを調べている役所があって、そこの記録によると、今年の湯沢市(たぶん、湯沢の中心部、市役所の近くで測ったと思うのですが)の「最深積雪」(どのくらい雪が積もったか)は1月15日現在の39cmでした。では、去年はどうかというと、2月12日の118cmでした。高松地区だと、もう少し多いとは思います。
 雪の積もった量でいうと、3倍ぐらい違うということになります。

 暖かく雪が降らなかった冬なので、たいへん助かりました。
 例えば、みんなが歩いて登校するときも、先生方が車で通勤するときも、そんなに難儀な日はなかったです。それから、雪おろし、雪よせなどの作業も少なかったはずです。

 また、秋田県や湯沢市の除雪にかかるお金もずいぶんと少なく済んだといっていました。
 それから、風邪をひいた人はいたけれど、そんなに拡がらなかったですね。
 12月から2月までの間、本当によかったなあ、と思います。

 でもね、よく考えると、暖冬で、雪が少なくて困っている人もいるんですよね。

 どういう人が困ると思う。

 ○スキー場の人  ○服をうる人  ○冬物をうる人  ○農業の人

 関東地方やもっと南で野菜を作っている人は、鍋物に入れる野菜が売れないとか、野菜が育ちすぎて出荷できなくなったとか、いろいろと困ったことがあるそうですよ。

 それから、田んぼで米を作っている家は、今から春や夏に水不足にならないか心配していますよね。だって、山にたくさん積もって、それがとけて流れて、田んぼに水が引かれるのだから、その元になる雪が少ないと、本当に心配になりますよね。

 このように、いくら「暖かい冬」が過ごしやすく、便利でラクチンでも、よく見たり考えたりすると、困っている人や心配している人もたくさんいるのです。


 今は、お天気という自然のことをいいましたが、人間が行う「物事」でも似たようなことがあります。

 たとえば、何かみんなで仕事の準備をするとき、自分は好きなことをして楽でいいけれど、中には難儀している人がいたりする時があります。
 たとえば、全員で集会などをやろうとした時、多くの人が楽しく過ごせていても、中には何か苦手であったりして、困っている人がいる時もあります。(自分はよくても)

 解決するのが難しいときもあるけれど、自分だけ自分だけと思わないで、まわりに気を配ってくれれば、みんなにとっていいように物事が進むと思います。(みんないい気もち)
 皆さんなら、そんなふうに他の人の心も想像できる人がきっと多いはずだと先生は思っています。

 さあ、この学年もあと残り・・・・(以下略)

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 天気のことはあれこれ考えても仕方ないけれど、穏やかであればいいというのは正直な気持ち。
 その願いを少し織り込んで、懐かしがってみた。(写真は翌年のふつうの日)