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たよりをたよりにして

2020年01月28日 | 教育ノート
☆5 ボツボツと四半世紀前の事

 『授業づくりネットワーク』誌(学事出版)94年10月号に「たのしい実践」という枠で5ページにわたって、「学級通信で鍛える」と題した文章を載せた。
 それはその年に学級通信という「すばらしい特権」を失ってしまった自分の一つの区切りであったと言えるだろう。
 一方で、職員間の通信活動にも興味を持っていた私は、その年に不定期ながら10回ほどの教務だよりを出していた。

 そして、初任者二人が加わった翌95年度、通年で45号の教務だより「為」(つくる)を発刊した。
 4月中に出した5号までのタイトルを拾ってみよう。

1号 いいスタートをきる

2号 どんな学習ルールをつくるか
3号 学級経営案をつくる
4号 鍛えたい力①~視写、聴写
5号 「ウキョーシン」って何ですか


 事務的な連絡や指示が中心にならないよう、できるだけ自分の言葉で具体的な例を示しながら、書いたつもりだ。
 今読むと当たり前のことが多いが、まだ技術や技能が共有財産であることが徹底していない時期だったと思う。
 オープンに互いの実践を公開、交流しあう雰囲気づくりには一役買ったはずだ。

 この教務だよりにざっと目を通してみると、二年目のこの年に踏み出して提案し、学校ぐるみで実践できたことは多い。

 例えば、前年までの運動会から一歩踏み出し、PTA参加の枠を拡大した。
 これは地域からも好意を持って受け入れられた。
 そして、図書集会、ふるさと学習会という全校イベント。これらは当時としてはかなり斬新ななかみだった。コーナーを複数設定して選択制にするという試みだった。
 もちろんまだ不十分な面はあったが、子供たちには好評で活気ある時間を創造できたと評価している。

 「新しい学力観」「開かれた学校」「生きる力」…次々に登場してくるキーワードを、どのような形として具現化するか。それが本当に子どもの力に結びつくのか。迷いはあったが、創意工夫しながら進むことの充実感も感じてはいた。


 そんななか、次年度からの文科省・県教委指定が決まる。
 「豊かな心を育む」というビッグな文言は、囁かれ始めた「総合」を意識させるものだったが、ピントが甘い気もしていた。