講師 黒川が語る 似て非なる「労使協定」「労働協約」
今回は私も受験時代、その違いを飲み込めずにいた「労使協定」と「労働協約」
の違いについて取り上げてみたいと思います。
まず「労使協定」は「労働基準法」の時間外労働や変形労働時間等の導入の
場面で登場します。
「労働協約」は「労働に関する一般常識」の中の労働組合法のところ等で出てき
ますね。
やや語弊はありますが、「協定」を取り決め、「協約」は条約、というイメージで
掴むのがポイントです。
「労使協定」は労働者の過半数を代表する労働組合又はない場合は過半数を
代表する者と使用者との間で取り交わします。例えば「時間外労働」の場面では、
本来、使用者は法定労働時間を越えて労働者を働かせてはいけないところ、この
協定を届け出ることで使用者は労働基準法違反の罰則を免れるのですが、労働者
側もその旨を受け入れますよ、という取り決めなのです。
これに対し、「労働協約」は労働組合と使用者の間で結ばれます。条約のような
もの、と先ほど紹介しましたが、時々耳にする日米安保条約、これは双方の国とも
遵守しないといけないわけですよね。この感覚と同じで、例えば年間休日数を126日
とするという労働協約を結べば使用者にはこの日数分の休日を確保する義務が生じる
とともに、労働組合側も残り日数分の労務を提供する義務が課せられます。
また労働者個人が会社との間で結ぶ労働契約(雇用契約)であっても、もしその
労働者が労働協約を締結している労働組合の組合員であれば、労働協約の条件に反する
内容の契約を結べません。その位、強い影響力も持つのです。
また「労使協定」は事業場の過半数の…と結ぶわけですから、結ぶことでその事業場
全体に通じる取り決めとなりますが、「労働協約」は労働組合と結ぶものです。つまり、
一つの事業場に複数の労働組合がある場合、複数の労働協約が存在することだって
あります。強い影響力がある一方で対象となる労働者は限定的、ということもあるのです。
その他、労働協約は労働組合と使用者との間で締結されるものですから、労働組合の
ない事業場では結べないわけですね。併せて3年の有効期限のある点、事業場の労働者
の多数を占める労働組合が締結した労働協約については事業場全体に効力が及ぶ
(組合員以外にも適用される)こともある点等も確認してみて下さい。
それでは今回はこの辺で。
今回は私も受験時代、その違いを飲み込めずにいた「労使協定」と「労働協約」
の違いについて取り上げてみたいと思います。
まず「労使協定」は「労働基準法」の時間外労働や変形労働時間等の導入の
場面で登場します。
「労働協約」は「労働に関する一般常識」の中の労働組合法のところ等で出てき
ますね。
やや語弊はありますが、「協定」を取り決め、「協約」は条約、というイメージで
掴むのがポイントです。
「労使協定」は労働者の過半数を代表する労働組合又はない場合は過半数を
代表する者と使用者との間で取り交わします。例えば「時間外労働」の場面では、
本来、使用者は法定労働時間を越えて労働者を働かせてはいけないところ、この
協定を届け出ることで使用者は労働基準法違反の罰則を免れるのですが、労働者
側もその旨を受け入れますよ、という取り決めなのです。
これに対し、「労働協約」は労働組合と使用者の間で結ばれます。条約のような
もの、と先ほど紹介しましたが、時々耳にする日米安保条約、これは双方の国とも
遵守しないといけないわけですよね。この感覚と同じで、例えば年間休日数を126日
とするという労働協約を結べば使用者にはこの日数分の休日を確保する義務が生じる
とともに、労働組合側も残り日数分の労務を提供する義務が課せられます。
また労働者個人が会社との間で結ぶ労働契約(雇用契約)であっても、もしその
労働者が労働協約を締結している労働組合の組合員であれば、労働協約の条件に反する
内容の契約を結べません。その位、強い影響力も持つのです。
また「労使協定」は事業場の過半数の…と結ぶわけですから、結ぶことでその事業場
全体に通じる取り決めとなりますが、「労働協約」は労働組合と結ぶものです。つまり、
一つの事業場に複数の労働組合がある場合、複数の労働協約が存在することだって
あります。強い影響力がある一方で対象となる労働者は限定的、ということもあるのです。
その他、労働協約は労働組合と使用者との間で締結されるものですから、労働組合の
ない事業場では結べないわけですね。併せて3年の有効期限のある点、事業場の労働者
の多数を占める労働組合が締結した労働協約については事業場全体に効力が及ぶ
(組合員以外にも適用される)こともある点等も確認してみて下さい。
それでは今回はこの辺で。