今回は、平成19年労働安全衛生法問8―D「総括安全衛生管理者に係る行政措置」
です。
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都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、
総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者にその改善を命令することが
できる。
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この論点は、久々の出題です。
まずは、次の問題を見てください。
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【 61-10-B 】
労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、
事業者に対し、総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。
【 2-8-A 】
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、
事業者に対し総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。
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【 61-10-B 】は労働基準監督署長、【 2-8-A 】は都道府県労働局長
とありますが、いずれにしても誤りです。
解任命令ができるという規定はありません。
さらに、【 19-8-D 】では「改善を命令することができる」とありますが、
このような命令もできません。
つまり、すべて誤りです。
総括安全衛生管理者に関する行政措置としては、
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、
総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる
とされています。
できるのは、「命令」ではなく「勧告」です。
安全管理者や衛生管理者については、増員、解任の命令制度が設けられて
いますが、総括安全衛生管理者については、勧告制度です。
総括安全衛生管理者は、その事業場の最高責任と権限を有している者なので、
必要がある場合に改善勧告を行うほうが適当だという考えから、このような
制度にしています。
ちなみに、行政措置については、次のような問題が出題されたことがあります。
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【 6-8-B 】
労働基準監督署長は、労働者の健康障害を防止するため必要があると認める
ときは、事業者に対し、産業医の解任を命ずることができる。
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産業医に関しては、行政措置の規定はありません。
ですから、誤りです。
今後、また出題される可能性がありますから、
行政措置がある場合、ない場合、
さらに、ある場合は、誰が措置を講じるのか、
都道府県労働局長なのか、労働基準監督署長なのか、
この辺は、整理しておいたほうがよいでしょう。