杉(スギ)と檜(ヒノキ)は花粉症に関してはセットのように言われるし、外見も遠目ではほとんど変らない姿だ。
ところが、近くで葉っぱを観ると、あまりの違いに驚く。
私の田舎、雪国十日町では檜が植えられているのを見たことがなく、尖った三角錐の姿で立っているのはすべて杉である。
半世紀以上前に我が家に岐阜の親戚から松茸が送られてきたことがあった。
子どもだった私に松茸は当たらなかったのか食べた覚えはないけれど、下に敷いてあった檜の葉っぱのことだけ鮮明に覚えている。
当時の私はたぶん鶏の脚の鱗のようだと思ったに違いなく、今回宇治での散歩途中、間近に観て撮ってそのように思った。
檜の北限と検索してみたら、材としての北限は日光辺りらしい。
林業では杉を谷筋に植え、檜は山筋に植えるということを読んだことがあり、檜は乾いて日当たりの良いところ、杉は日当たりより湿りが必要なのだろう。
ひがみではないけれど、日照の少ない裏日本の雪国では、檜より杉ということになる。
盛りはとっくに過ぎた酔芙蓉が1輪2輪と咲いていた。
これも田舎にあったら良いなと種を取ったりしたけれど、北限があるのか田舎でもだいじょうぶなのか調べてみた。
そうしたら寒さには弱いそうで、寒冷地では冬にマルチングをして根をまもる必要があるそうだ。
それならば芽がでても冬越しは難しいから、どうりで田舎では酔芙蓉を見ないわけだ。
関西では勝手に舗装の隙間から生えて、通行の邪魔になるほど栄えているのに。
この時季でもポツポツと咲いていて、つぼみもいくつか見られた。
明日咲くというつぼみの先は、ピンクだということが今回わかった。
つぼみの先はピンクなのに、花開くときには白で、午後からピンクに赤にと染まっていくのは不思議な現象だ。
つぼみのピンクは満開に開いていくときに、いっとき色を失い、やがて血色が良くなるように染まっていくのか。