和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

だんだん勇気。

2007-11-20 | Weblog
昨日のブログを書きながら、自分ながらイヤな後味がありました。ところで、日経新聞の日曜日読書欄に「半歩遅れの読書術」という連載があります(ちなみに、これ単行本化されているのですね)。一ヵ月ごとに執筆者がかわり、今月は松岡正剛氏。その11月18日はこう始まっておりました。

「ウェブ上のサイト『千夜千冊』を書きはじめてこのかた、千二百冊ほどの読書感想記を公表してきた。そのうちほぼ千冊を『千夜千冊』(求龍堂)という全八巻の全集にした。この作業を通して感じたことは、いろいろあるが、なかで自分が決めたルールで『あたり!』だと思えたのは、『本にケチをつけない』ということだった。」
そして頼まれ書評の場合、どうしても文句をつけたくなると書いたあとに
「自分が好きに選んだ本の感想を綴っていくときに、
ケチをつけるのはつまらない。
そういう本はとりあげなくていい。
やはりどのように没頭したか、
どこで脱帽したか、
どんなふうにその読後感を人に伝えられるか、
そこをのみ書きたい。」
こうして千夜千冊の連載時に、十数年前読んで物足りなかった本が、どうしても必要な本だと気づいた経験を語ります。次に、この短文の最後を引用しておきましょう。

「仮説に富んだ本は、いくらでもケチをつけられる。まして時代を先んじて挑んだ著作は、まちがいも多い。・・・しかし、フーテンの寅ではないが、『それを言ったらおしまい』なのである。そういうことは学問のなかでやればよろしいわけで、それを堅気さんの前でひけらかしてはいけないのだ。たまにケチをつけないで読むこと。世の中、だんだん勇気に満ちてくる。」


ああ、これが千夜千冊なんですね。あらためて、ウェブ上のサイト「千夜千冊」に出かけたくなりました。そう、勇気に満ちた歩みを確認すべく。
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