昨日本屋で興味深い本を見つけました。
ふだん本屋へと近づかないようにしております(笑)。
ですが、東日本大震災のあとは、週刊誌や月刊誌を買いにいったりで、町の本屋へと足が向きます。その本屋で見つけたのが新潮ムック「これからを生きる君たちへ」(平成23年4月26日発行)。脇には「校長先生たちからの心揺さぶるメッセージ」。卒業生への校長先生の言葉が選ばれて並んでおります。そう、今年の卒業式は、いつもの卒業式とは違っていたのでした。
え~と。どなたにも、おすすめです。
簡単に読めます。岩手県の小学校・中学校が5校。
それに関東の学校や、東京・一橋・大阪・長崎大学の式辞告辞が並びます。
どれかを選んでよんでもよいわけです。
それを読みながら、私に思い浮かんできた数行がありました。
それは阪神・淡路大震災の際に書かれた、中井久夫の「災害がほんとうに襲った時」にある文でした。以下思い浮かんだ箇所。
「・・突然、避難民をあずかる羽目になった校長先生と教員たちの精神衛生はわれわれの盲点であった。校長先生たちはある意味ではもっとも孤立無援である。避難民には突き上げられ、市にはいっさいの人員援助を断られ、そして授業再開への圧力がある。災害精神医学というものを曲りなりにも知っていた精神科医とちがって、校長先生たちは災害においてこのような役割を担おうとは夢にも思っておられなかったはずである。そして、精神科医に対して偏見がある方も少なくなかった。精神科医にも校長先生や学校に対して偏見があるであろう。精神科医たちが一堂に会した時、いかにいじめられっ子出身者が多かったかに驚いたことがある。いじめられっ子は先生に絶望した体験を持っているものだ。・・・」
さあ新潮ムック「これからを生きる君たちへ」(定価500円)は
読まれることをおすすめして、ここでは一箇所だけ引用。
それは、この本のなかに「被災地の卒業式」と題して黒井克行氏が書いておりました。
はじまりから引用。
「今回の被災地の常として、津波の被害がなかった建物はみな、避難所となる。釜石小学校の体育館も、避難した住民で溢れかえり、窮屈な生活を強いられていた。寒い。でも、毛布しかない。・・・・
式が終わりにさしかかり、校歌が合唱された。作詞は、仙台出身の作家・井上ひさし氏による。この歌声を聞いた時、私も涙を止めることができなかった。
いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは 目をあげて
星を目あてに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる
はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときは あわてずに
人間について よく考える
考えたら はっきり話す
しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる
毎朝、ラジオ体操の後、被災者全員で歌うという。
信じられないような大災厄に襲われても、
ただ悲しみに打ちひしがれているだけではない。
復興への力強い希望の第一歩を感じ取ることができた。 」(p16~17)
ふだん本屋へと近づかないようにしております(笑)。
ですが、東日本大震災のあとは、週刊誌や月刊誌を買いにいったりで、町の本屋へと足が向きます。その本屋で見つけたのが新潮ムック「これからを生きる君たちへ」(平成23年4月26日発行)。脇には「校長先生たちからの心揺さぶるメッセージ」。卒業生への校長先生の言葉が選ばれて並んでおります。そう、今年の卒業式は、いつもの卒業式とは違っていたのでした。
え~と。どなたにも、おすすめです。
簡単に読めます。岩手県の小学校・中学校が5校。
それに関東の学校や、東京・一橋・大阪・長崎大学の式辞告辞が並びます。
どれかを選んでよんでもよいわけです。
それを読みながら、私に思い浮かんできた数行がありました。
それは阪神・淡路大震災の際に書かれた、中井久夫の「災害がほんとうに襲った時」にある文でした。以下思い浮かんだ箇所。
「・・突然、避難民をあずかる羽目になった校長先生と教員たちの精神衛生はわれわれの盲点であった。校長先生たちはある意味ではもっとも孤立無援である。避難民には突き上げられ、市にはいっさいの人員援助を断られ、そして授業再開への圧力がある。災害精神医学というものを曲りなりにも知っていた精神科医とちがって、校長先生たちは災害においてこのような役割を担おうとは夢にも思っておられなかったはずである。そして、精神科医に対して偏見がある方も少なくなかった。精神科医にも校長先生や学校に対して偏見があるであろう。精神科医たちが一堂に会した時、いかにいじめられっ子出身者が多かったかに驚いたことがある。いじめられっ子は先生に絶望した体験を持っているものだ。・・・」
さあ新潮ムック「これからを生きる君たちへ」(定価500円)は
読まれることをおすすめして、ここでは一箇所だけ引用。
それは、この本のなかに「被災地の卒業式」と題して黒井克行氏が書いておりました。
はじまりから引用。
「今回の被災地の常として、津波の被害がなかった建物はみな、避難所となる。釜石小学校の体育館も、避難した住民で溢れかえり、窮屈な生活を強いられていた。寒い。でも、毛布しかない。・・・・
式が終わりにさしかかり、校歌が合唱された。作詞は、仙台出身の作家・井上ひさし氏による。この歌声を聞いた時、私も涙を止めることができなかった。
いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは 目をあげて
星を目あてに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる
はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときは あわてずに
人間について よく考える
考えたら はっきり話す
しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる
毎朝、ラジオ体操の後、被災者全員で歌うという。
信じられないような大災厄に襲われても、
ただ悲しみに打ちひしがれているだけではない。
復興への力強い希望の第一歩を感じ取ることができた。 」(p16~17)