和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

初読「墨汁一滴」。

2011-09-12 | 詩歌
ワイド版岩波文庫「墨汁一滴」を読み始めました。
面白いのですが、私には一日では読み終えられません。

墨汁一滴を読んでいると
子規の数ということに興味がいきます。

 鶏頭の十四五本もありぬべし  子規

「も」についても話がひろがるのですが、
ここでは、高浜虚子選の岩波文庫「子規句集」について
ここには、「鶏頭の・・」の句は選ばれておりません。

小西甚一著「俳句の世界」(講談社学術文庫)の
正岡子規の箇所をのぞいて見ますと、こうあります。

「『鶏頭の』は、加藤楸邨がひどくほめちぎった句で、子規の到りついた最高境を示す傑作だと、たぶん昭和十七八年ごろから、事あるごとに力説したものである。それが俳壇的問題とまで発展・・・斉藤茂吉も褒めた。それが昭和二十六年ごろ、ジャーナリズムの好餌になったわけ。ところが、虚子はこの句を黙殺し、碧梧桐と共編の『子規句集』でも採らなかった。ふしぎなことに、この句を絶讃した緒家は、なぜ名句なのかを全然説明しようとしない。たぶん宗教ふうインスピレイションのなせるわざらしく、文芸的経験に還元できる批評ではあるまい。・・」(p266)


そういえば、今日は、よい月夜。
ガラス窓を閉める時に満月にちらりと挨拶。
「仰臥漫録」には、こんな句がありました。

 十三四五六七夜月なかりけり

ここにも、数が並んでる。


コメント
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