和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

『往生要集』の足跡。

2012-02-07 | 古典
注文してあった2冊が揃う。
一冊目は
新潮日本古典集成「建礼門院右京大夫集」。
函入りで、帯つき。本は新刊なみのきれいさ。
株式会社 古書ことば (葛飾区柴又)へ注文
500円+送料290円=790円。
この本は、
原勝郎著「日本中世史」による興味から注文。

二冊目は
平凡社東洋文庫「往生要集 日本浄土教の夜明け」全2巻揃い。
函入りで、本文はきれいなものです。
(有)みちくさ書店(国立市東)
2巻揃いで1000円+送料340円=1340円。
ちなみに、源信・石田瑞麿(みずまろ)訳。


この2冊が届いたので、おさらい。

方丈記には、こうありました。
「すみかは折々に狭し。その家のありさま、世の常にも似ず、広さはわづかに方丈、高さは七尺がうち也。所を思ひ定めざるが故に、地を占めて作らず。土居を組み、うちおほひを葺きて、継目ごとにかけがねをかけたり。もし心にかなはぬ事あらば、やすく外へ移さむがためなり。・・・」
「・・北によせて、障子をへだてて阿弥陀の絵像を安置し、そばに普賢をかき、前に法花経を置けり。東の際に蕨のほとろを敷きて、夜の床とす。西南に竹のつり棚を構へて、黒き皮籠三合(三個)を置けり。すなわち、和歌、管絃、往生要集ごときの抄物を入れたり。かたはらに琴、琵琶おのおの一張を立つ。いはゆる折琴、継琵琶これ也。仮の庵のありやう、かくの如し。」

さてっと、平凡社東洋文庫「往生要集1」の方に、解説がありました。
そこの最後のほうに、こんな箇所。

「・・・すでに述べてきたところによって、日本の浄土思想や信仰のなかに『往生要集』の足跡がいかに大きくたどられてきたか、じゅうぶん理解されたことと思われる。源信以後の浄土教思想は、良忍にせよ、法然にせよ、親鸞も一遍も、蔭に陽に、大小の差はあっても、かならず『往生要集』に受けるところがあった。『往生要集』がなかったならば、こうしたひとたちも出現しなかっただろうし、浄土教思想の発展もありえなかったにちがいない。いわば『往生要集』は後に続くものの道標であり、輝かしい金字塔であったのである。このことは今日にもいえることであろう。・・・」(p380~381)

う~ん。手ごたえあり。
とりあえず、本文はあとまわしとしても
買ったときに、覚書として触れておかないとネ(笑)。
コメント
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