坂井スマート道子著「父、坂井三郎」(産経新聞出版)をパラリとひらく。
こんな箇所が
「『おい、前後、左右、上下に注意しろよ!』
一般的には『前後左右に注意して』と言うところですが、父の場合は、それに上と下が加わります。航空界で生きてきた人の特性なのか、目配りや思考の拡がりが立体的なのです。大空の真っ只中では、前後も左右も上下も違いがないのです。・・幼い頃からそう言われていたので、私にとって〈前後左右上下〉は、それで一つの熟語でした。学校で先生が『前後左右に注意しましょうね』と言うたびに、『あれ、どうして〈上下〉が入らないの?』と思ったものです。特に『注意しろ』と言われたのが、〈上〉でした。『まず上を見ろ。何が落ちてくるか分からん』・・・・とにかく、『物っていうのは、上から落ちてくるものなんだぞ、お前』というのが、父の言い分でした。・・」(p139~140)
こんな箇所が
「『おい、前後、左右、上下に注意しろよ!』
一般的には『前後左右に注意して』と言うところですが、父の場合は、それに上と下が加わります。航空界で生きてきた人の特性なのか、目配りや思考の拡がりが立体的なのです。大空の真っ只中では、前後も左右も上下も違いがないのです。・・幼い頃からそう言われていたので、私にとって〈前後左右上下〉は、それで一つの熟語でした。学校で先生が『前後左右に注意しましょうね』と言うたびに、『あれ、どうして〈上下〉が入らないの?』と思ったものです。特に『注意しろ』と言われたのが、〈上〉でした。『まず上を見ろ。何が落ちてくるか分からん』・・・・とにかく、『物っていうのは、上から落ちてくるものなんだぞ、お前』というのが、父の言い分でした。・・」(p139~140)