和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

おそらくそれは。

2014-03-20 | 本棚並べ
本棚を整理したので、すくない蔵書でも、
本棚近辺は、スムーズに取り出せる(笑)。
ということで、
今回は、狐さんの本を数冊だして、パラパラ。
たとえば、狐著「野蛮な図書目録」(洋泉社)。
その題名を見て、そうなんだと思います(笑)。
書評本って、図書目録なんだ。
それを見て、ネット古書店に注文できる。
古書店で品切れでも、それは図書館で、
誰か先客が貸し出して手に入らないようなもの。
そのうち、古書店に並んでいることもあります。

「水曜日は狐の書評」(ちくま文庫)を
ひらくと、丸谷才一著「思考のレッスン」を
取りあげている箇所(p60~61)が、
輝いて見えました。

あらためて、引用。

「丸谷才一の長所は、
読み手が日常的に応用して役に立つ智恵を
語ってくれるところにある。
世の書き手には秀才が多いが、
また秀才くずれというものも多い。
この二つのタイプはどう違うか。
世のため、人のためになる発見や工夫を
ケチケチして教えてくれないのが秀才くずれだ。
読み手に決して幸福感を与えてくれないのである。
少なくとも本書の著者としての丸谷才一は
秀才くずれではない。
それが評論的な著作となると、
微妙に感触が異なってくる。
『忠臣蔵とは何か』という本では・・・・・   
大胆にして華やかな仮説が目をひく・・しかし
読み手の感動はあまり長つづきしないように思う。
幸福感もたいして味わえない。
おそらくそれは、秀才くずれでも書けることであるからだ。
本書はちがう。
・・・丸谷の美質がもっともよく表れた読み物の一つ。」

う~ん。
丸谷才一の「思考のレッスン」を
楽しんで読み返していた者の一人として、
この書評は、ありがたく、思わず拍手。

うん。黄色の線がひかれているので、
以前に読んだことがあるのに、
もうすっかり、忘れておりました(笑)。
コメント
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