和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

町の図書室。

2014-08-01 | 地域
読売新聞の書評欄(7月27日)に
平松洋子さんの書評が載っておりました。
池内紀著「ニッポン周遊記」(青土社)
副題は「町の見つけ方・歩き方・つくり方」
とあります。
つい、書評につられて、
ふらふらと購入してしまう。
手に取ると。あっ、しまった。
こういう本は古本になってからで充分(笑)。
2400円(税別)。

あとがきに、こうある。

「三十の町が並んでいる。・・・」

「そもそもの始まりから数えると、
まる十年になる。はじめは二ヶ月に一度、
途中から季節ごとに一つ、『観光文化』
(日本交通公社発行)に発表した。
地味な研究誌なので、人の目にふれることは
少ないが、制約なしに書けるのがありがたかった。」

この歩くような、
脇が甘いような、そんな文体は、
古本によく似合いそう。

さてっと、せっかくの新刊購入なので、
「はしがき」から引用。
そのはじまりは、

「はじめての町に来て、その町を見わける
方法の一つに図書館がある。図書館があるかどうか。
必ずあるはずだが、それはどんな図書館なのか。
・ ・町や村の場合は『図書室』でも可。・・
ある町では、公民館の一室に申しわけ程度に
本棚があって、どこかのお古のようなテーブル
と椅子が並べてあった。係の人もいない。
その一方で町役場がやたらに大きく、
体育館兼用のホールがあって、入場料ウン千円
の催しのポスターがはためいていた。
こういう町は概して活気がなくて
商店街がさびれている。若い人の姿がなく、
町全体がうすら寒い。
逆のケースもある。町の規模にくらべて
図書館が立派で、お年寄りや身体の
不自由な人のためだろう、入口に工夫が
こらしてある。赤ん坊づれの若い母親と
老眼鏡を紐でぶら下げた老人が、
つれ立ってやってくる。片隅が畳敷きに
なっていて、幼児がうつ伏せになって
絵本を開いている。こういう町は、
たとえ過疎がすすんでいる地方でも、
どこか生きいきしている。派手な催しの
ポスターではなく、手づくりのサークル
や会の案内がピンでとめてある。・・・」


う~ん。
まず、図書館から始まるのでした。
コメント (2)
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