和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

クレヨン。

2014-08-03 | 短文紹介
山中和子著「昭和21年8月の絵日記」(トランスビュー)の解説は養老孟司。
その解説に、「この日記が書かれた年に、私は著者より二つ年下で、小学校三年生だった。だからというべきか、ところがというべきか、この時代の記憶は鮮明に残っている。・・著者には、この絵日記を書くクレヨンがよくあったものだ。それがじつは私の最初の印象だった。」

また、ご本人の「あとがき」には、

「・・『絵日記』には、ことさら食べものの記述が多く、私自身、口にするものに異常な関心と欲望があったことを思い出します。当時、父は雑誌『ライフ』をよく読んでおり、私はその中にある果物とかお菓子の写真や絵を、何度も何度も見たものです。・・」

絵日記の青うり、パン、カボチャなどの絵が鮮やかな魅力です。

7月29日の絵日記全文を引用。

昨日一日だけとまってかへった
おばあさんも今日まひずるへお帰へりになりました。
今日も一日雨でした。
部屋の中で お兄さんと一しょに、
本をよんだりお話をしていただきました。
雨の一日でもほんたうに愉快でした。
をぢさんとおばあさんは、
まひずるへもう帰ってゐるでせうか。
もう一度おばあさんにあひたいと思ひました。
コメント
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