和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

選挙演説と、中国人の涙。

2015-06-23 | 短文紹介
新潮45・7月号。
そこに、中国の漫画家・辣椒さんと
阿古智子さんの対談があります。

辣椒】 共産党にとってみれば、
人民が無知の方が統治しやすいのです。
中国の学生とネット上でやりとりしても、
あまりに何も知らないので、何だか
こっちが恥かしい気持ちになってしまいます。
・・・彼らは異なる意見を頑として認めようと
しません。中国では、共産党だけでなく、
庶民の間でも互いに他人の意見を認めず、
暴力的になっています。

阿古】 いま中国の採っている『愚民化政策』は
非常に危ういと思います。いざという時、
国民に知識や思考力がないと、大きな悲劇を招く
恐れがある。もっとも日本のような民主主義でも、
有権者の多くが人気取りの政治家に騙されてしまったり
など、同じような危険はあるかもしれませんが。

辣椒】昨年、日本で初めて選挙の演説を見て、
『ああ、これが本当の選挙なのだ』と涙が出てきました。
でも、一緒にいた日本人には私の興奮している理由が
よくわからなかったようです。日本に来て、多くの
日本人は政治に関心がないことがよくわかりました。
・・・・


辣椒(らーじゃお)さんの
新連載の漫画と、この対談は、
鮮明さと正確さでもって、中国を
知らせてくれる力があります。
なにより、日本人の方が、ボカす
(ボカす=ことばをあいまいにして
内容をはっきりと言わない。
『肝心なところを・・・』)。
阿古智子さんの言葉にも、正直に
あらわれておりました。

阿古】 でも日本の中国研究者の間では、
中国政府が気に入らないことを書くと、
入国を拒否されたりするのではと
懸念が広がっています。
私も悩みながら書いています。

うん。悩みながら書いているのを
知って読むのと、字面をそのままに信じるのでは、
けっして、小さな違いではないということ。

この対談、まだ引用したりない(笑)。
まあ、興味ある方は
6月18日に雑誌が発売されて、
書店の店頭にあり、今ならすぐ手にとれる。

うん。日本の選挙を知るには
まず、中国。
急がば回れ。中国経由で、
はやる気持ちをおさえて、
中国人の涙を知るという醍醐味。

日本の知識人は、肝心なところを
ボカす心配があるので要注意。
という、ところでしょうか。

コメント
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