和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

放蕩息子の帰郷。

2018-05-17 | 詩歌
青土社「大岡信著作集」第七巻は、
「蕩児の家系」「現代詩人論」他が入った一冊。

うん。谷川俊太郎理解に欠かせない一冊。

「現代詩人論」には、谷川俊太郎があり。
ほかに、谷川俊太郎小論も載っています。

うん。ここでは
『蕩児の家系』あとがきから引用。

「蕩児の家系という題名は、いうまでもなく、
『蕩児の帰郷』という例の物語に由来する。・・
近代日本における新しい詩的表現は、
いわゆる近代詩・現代詩という形をとって
歴史をきざんできたが、短歌、俳句、あるいは
文語定型詩という旧家からとびだした放蕩息子である
口語自由詩の足跡を、ぼくなりの観点から追跡し、
再構成してみようとしたのが、
この本のおおよその成りたちである。
言う必要もないことだろうが、
蕩児の家系といい、帰郷といい、
かつての旧家への復帰を意味しているのでは毛頭ない。
放蕩息子は放蕩息子の天地を見出すであろう。
その、新しい天地こそ、放蕩息子の帰郷する天地である。
それはどのような場所なのか、
それをぼくは考えてみたかった。」(p506)


ひとつ、困るのは(笑)。
谷川俊太郎の詩よりも、
この詩論のゾクゾク感。
詩よりも詩論の面白さ。

コメント
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