和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

百年の計

2024-01-05 | 安房
講談社の「日本語大辞典」で『百年の計』をひくと
「 遠い将来を見越した計画 far‐sighted policy 」
とありました。

昨年は、関東大震災から百年でした。
地元の震災ということで大正15年3月31日に出版された
『 安房震災誌 』を、再度今年はひらくことにします。

そのはじまりの方、前安房郡長・大橋高四郎の言葉に

「 本書の編纂は、専ら震災(関東大震災のこと)直後の
  有りの儘の状況を記するが主眼で、資料も亦た其處に
  一段落を劃したのである。
 
  そして編纂の事は吏員劇忙の最中であったので、
  挙げて之れを白鳥健氏に嘱して、その完成をはかることにしたのであった。
  ・・・・  」

では、その白鳥健氏の『凡例』は、どう書かれていたか。

「 ♢ 本書は大正12年9月の大震災によって、
    千葉県安房郡の被った災害と、之れに対して
    安房郡役所を始め全郡の官民が執った
    応急善後施設の概略を記録したものである。 」

「 ♢ 本書は記述の興味よりは、事実の正確を期したので、
    第一編に掲げたる諸材料の如きは、文章も、諸表の様式も、
    敢て統一の形式をとらず、当時各町村が災害の現状そのものに
    就て作成した儘をなるべく保存することに注意した。
    ・・・・・                    」

「 ♢ 終に私が安房郡役所の嘱託によって、
    本書の編纂に干与したのは、震災の翌年のことであったが、
    当時は各町村とも、震災の跡始末に忙殺されてゐたので、
    調査報告の取りまとめに可なりの月日を費した。・・・・

    若し此の小さき一編の記録が、我が地震史料の
    何かの役に立つことがあれば・・・       

          大正15年3月      白鳥健 識す  」


はい。今年は、他の資料も重ね読みするつもりで、
読み進めてゆこうと思っております。

ちなみに、ネット検索していたら、
津波デジタルライブラリーで、簡単に「安房震災誌」を読めそうです。
さらに、masuda miyako さんのスレッドに、こんな書き込みがありました。

「 読めば読むほど、この大橋高四郎という当時の安房郡長は、
  本当に立派な人です。でも、ネッ トには、ほとんど出ていません。
  ・・・・・・
  もし、この大橋高四郎さんについて情報をお持ちでしたら、
  教えていただけないでしょうか。     」

 というご意見を拝見。うん。知らないながら
 関東大震災と大橋高四郎と限ってなら本から
 いろいろと取りあげてゆけそうな気がします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする