本棚から、
丸谷才一氏の挨拶シリーズをとりだしてくる。
挨拶はむづかしい
挨拶はたいへんだ
あいさつは一仕事
以上出版は朝日新聞社。
また、「挨拶はたいへんだ」は朝日文庫もあり。
「挨拶はむづかしい」には、
村上春樹『風の歌を聴け』群像新人賞贈呈式での祝辞が
載っておりました。
その新人賞の選考委員のお名前は
丸谷才一・佐多稲子・佐々木基一・島尾敏雄・吉行淳之介の五名。
その祝辞からすこし引用。
「・・実はわたし、この小説は珍しく二へん読みまして、ほかの四人の方は反対でも、自分一人だけはこれを強く推そう、一票だけの少数意見になっても仕方がない、なんて覚悟を決めて出席したのですが、みなさんがこれだとおっしゃるので、いささか拍子抜けしたくらゐでした。まるで若葉の林を吹きわたるさはやかな風のやうな新風でありまして、その点、『風の歌を聴け』といふ題は、『この小説を読め』といふ意味がこめてあるのかと疑ひたくなります。日本文学が曲り角にあるといふことはよく言はれてゐますが、そのことを作品の実質でこれほど納得させる小説は珍しいし、まして新人の第一作となれば、稀有のことではないかと思ひます。・・・とにかく、村上さん、おめでたう。五人を代表してお祝いを申上げます。」
この挨拶シリーズは、
巻がすすむにしたがって、
お別れの会や偲ぶ会での挨拶がくわえられていき・・・。
そして、「丸谷才一さんお別れの会」を待つこととなりました。
丸谷才一氏の挨拶シリーズをとりだしてくる。
挨拶はむづかしい
挨拶はたいへんだ
あいさつは一仕事
以上出版は朝日新聞社。
また、「挨拶はたいへんだ」は朝日文庫もあり。
「挨拶はむづかしい」には、
村上春樹『風の歌を聴け』群像新人賞贈呈式での祝辞が
載っておりました。
その新人賞の選考委員のお名前は
丸谷才一・佐多稲子・佐々木基一・島尾敏雄・吉行淳之介の五名。
その祝辞からすこし引用。
「・・実はわたし、この小説は珍しく二へん読みまして、ほかの四人の方は反対でも、自分一人だけはこれを強く推そう、一票だけの少数意見になっても仕方がない、なんて覚悟を決めて出席したのですが、みなさんがこれだとおっしゃるので、いささか拍子抜けしたくらゐでした。まるで若葉の林を吹きわたるさはやかな風のやうな新風でありまして、その点、『風の歌を聴け』といふ題は、『この小説を読め』といふ意味がこめてあるのかと疑ひたくなります。日本文学が曲り角にあるといふことはよく言はれてゐますが、そのことを作品の実質でこれほど納得させる小説は珍しいし、まして新人の第一作となれば、稀有のことではないかと思ひます。・・・とにかく、村上さん、おめでたう。五人を代表してお祝いを申上げます。」
この挨拶シリーズは、
巻がすすむにしたがって、
お別れの会や偲ぶ会での挨拶がくわえられていき・・・。
そして、「丸谷才一さんお別れの会」を待つこととなりました。