山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

満開の甲斐の姫君 山梨県最大の自生地へ  平成31年4月7日

2019年04月08日 | 山に咲く花
 3年ぶりの訪問となる山梨県最大の甲斐の姫君自生地である。武田神社の桜が満開で今年は花付きが良いように見受けられ綺麗である。おそらくこちらの山の甲斐の姫君も満開を迎えている頃だろう。その後どうなっているのか?数は増えているのか?それとも斜面が崩落して減ってしまっているのか?楽しみでありながらちょっと心配でもある。登り始める前に、ちょっと登山口周辺の梅の木を覗き込んでみると・・・やはり、この界隈は着生ランの宝庫である。


    クモランが固まって着生していた。種を飛ばしたガラが残っている。


    こちらはカヤラン。昨年のガラと今年の蕾が付いている。まだ蕾は固く、咲くのは2週間くらい先になるだろうか。

 今回歩く登山道は今やほとんど歩く人は居らず、ところどころ崩落していて現在は廃道になっている。ところどころ看板が付いてはいるがほとんどあてにならない。GPSを片手に入山する。


    満開のミツマタに朝日が差し込む。


    スギ林の林床にはテンナンショウ属。これは広義のマムシグサと思われる。


    この山域には多いナガバノスミレサイシン。葉はたくさん見かけるが花は少ない。


    4年前に訪れた際にも見かけた正体不明のスミレの葉。葉の裏が茶色で、当時は斑入りのゲンジスミレかと思ったが違う。花が咲かないとわからないがフモトスミレではないかと思う。


    日当たりの良い斜面に咲いていたキランソウ。


    ここのキランソウは紫色が鮮やか。

 予定していた3時間ほどで目的地の直下までやって来た。ふと斜面を見ると笹のような葉っぱが出ている。良く見れば甲斐の姫君の葉ではないか。後ろを歩いていたメンバーが花が咲いているのを見つけてくれ、さらに周辺を探してみたらそれなりの個体数が発見された。以前にはこの辺りには無かったか、見落としていたかも知れないが、これだけ咲いていると気付かなかったとは思えず数が増えたと思ったほうが良いだろう。


    目的地よりも下の場所で新たに見つかった甲斐の姫君。


    それなりの個体数も花数もあった。


    個体数を増やして生育域を拡大したとみて良いだろう。

 現地に到着。以前並んで咲いていた場所は葉っぱしか見つからなかったがその先に進んでビックリ!邪魔をしていた笹がほとんど枯れて日当たりが良くなっており、斜面だけでなく登山道の中まで甲斐の姫君が咲いている。開花している花数、小葉の数を含めて明らかに数を増やしている。しかもちょうど満開の良い時期に訪問することが出来た。再会に感激である。


    3年ぶりに訪問した甲斐の姫君、カイコバイモ。


    個体数を増やしており、さらに時期的に満開。


    こちらは咲き始めたばかりのカイコバイモ。

 しばし写真撮影して花を楽しませてもらい、その先の谷に下りて昼食となる。谷の中はハナネコノメソウをはじめとする谷間を好む花たちがたくさん咲いていた。


    谷に咲いていたハナネコノメソウ。


    ハナネコノメソウ


    イワボタン


    8本の黄色い葯があり花は平開しない。ツルネコノメソウもあったが撮り忘れた。


    ユリワサビ


    ツルシロカネソウ


    ヤマルリソウ


    メンバーが双眼鏡片手にこんなにたくさん着生している木を発見してくれた。


    トリーミング。圧巻のカヤランの木。こんなにたくさん着生しているのは初めて見た。

 谷の中に咲く花たちも存分に楽しませていただき下山である。ちょっとだけルートを変えて下山してみると、また登りの時とは違う花たちに出会えた。


    カンアオイ。固い蕾が付いているが、この山域だとカギガタアオイだろうか?


    登りの時とはちょっと違うテンナンショウ属に出会えた。


    真ん中に出ている付属体の先端が丸くなっている。スルガテンナンショウ。


    大株のエビネにも出会えた。花芽はまだ少し出たばかりだった。

 カイコバイモの個体数が増えていたことは何よりも嬉しかったが、今回は同行したメンバーにも恵まれて想定していなかった様々な花たちとの出会いも楽しむことが出来た。天候にも恵まれて素晴らしい花見山行となった。



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ネコノメソウ属を探して沢を登るが・・・失敗  平成31年4月6日

2019年04月08日 | 山に咲く花
 先週は別の沢で黄色いハナネコノメを観察してきた。おそらくこちらの沢にもあるのではないだろうか。林道はまだ閉鎖されているためそれなりの長い距離を歩かなければならず、問題なのは沢への下降点があるのかどうか、さらに沢から抜け出す場所があるのかどうかだ。行ってみないと分からないことだらけなので、今回は半分は下見である。


    途中にある大きな滝のところでは桜が満開。


    林道から見下ろす深くて長い谷。かなり下を流れている。


    都合良く堰堤工事の道が残っていた。これを使って沢に下降する。


    波打った岩。このあたりの岩質は堆積岩のようだ。


    大きな堰堤が現われた。


    この堰堤は左岸に工事用道路が残っていた。


    また堰堤。今度は右岸(左側)を巻いて越える。


    堰堤から見下ろす上流部。黄色っぽい苔の生えたようなところにネコノメソウ属が居そうだが?


    下りて苔の中を探すと、居ました。


    赤い葯を持ったまだ咲き始めたばかりのネコノメソウ属の花。


    マクロで覗いてみると赤い葯が8本、平開しない花。ヨゴレネコノメソウらしいが葉があまり汚くは無く、赤い葯のイワボタンかも知れない。

 探していたのはこのネコノメソウでは無く黄色いハナネコノメソウだがこの場所では見当たらずさらに遡上する。しかしこの先も堰堤が続き、巻きながら越えるが遂に・・・越えたのは良いが崩落していて下降できず。


    崩落地の横を通る。落石が怖いのでさっさと通過。


    大きなカツラの木。


    堰堤を越えたが下降できず、さらに高巻いたがその先の斜面が崩落しており・・・下降は難しそうだ。

 予定していた行程の半分ほど来たところでザイル無しでは沢筋への下降が困難な場所に出くわしてしまった。時刻は3時半、強引に下りたとしてもし遡上困難な場合は引き返して来れない。それと、この界隈では黄色いハナネコノメを探すのは難しそうだし、標高が高いためにあったとしてもまだ咲いていない可能性が高い。本日はここまでで撤退とする。巻いて登った堰堤脇を慎重に下降して最初に下降した場所から林道に戻った。途中には林道に抜け出る良さそうなルートは見つからなかった。


    支脈の沢。白っぽい岩がところどころ露出しており一部石灰岩が混じっているのかも知れない。

 残念ながら今回の黄色いハナネコノメを探すトライアルは失敗に終わる。再度訪問する際は林道をもっと上まで歩いて今回の沢のもっと上流を探索してみたいと思う。標高は1,200mを越えるのでネコノメソウ属が咲くのは2週間以上先になるだろうと予想される。


    山上にはまだ雪が残っている。ネコノメソウ属が咲くのはもう少し先になりそうだ。

コメント (2)
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