おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

無粋なお役所仕事

2005-11-24 22:49:49 | 世間世界
 都会にも、紅葉の季節が巡って来ました。最近のぐっと冷え込んだ時節にあわせるかのように、木々の緑が赤や黄色に変わり、落ち葉がはらはらと散る風情。秋の深まりをいやでも感じさせます。
 ついこの間まで、それほど着込むことがなかった通行人も、厚手のコートにマフラーと、本当に冬間近という様子です。歩道に植えられた街路樹。それなりに紅葉を迎え、はらはらと路上に落ち葉が、舞い散っています。何となく物寂しい感じがします。
 小生が歩き馴れた歩道に、「楓」の木が植えられています。中国でも「楓」」といえば、代表的な紅葉樹です。この木は美しく黄色に色づき、穏やかな太陽の光に映えていて、とても雰囲気のいい木です。それが何十メートルかに亘って、道の両側に続くのですから、大変気に入った散歩道です。
 今年も紅葉の季節を迎えました。なかでも、交差点に立つ楓は枝振りも見事で、いつも立ち止まって見上げ、次第に色づく葉の変化に、しみじみと秋を感じていました。去年は気がついたときには、既に枝が刈り落とされ、緑の葉と少し黄色付いた葉が、数えるほどしか残っていませんでした。まさに冬木立の姿になっていました。もともと、楓は紅葉を楽しむ木だと思っていましたから、とても残念な気がしました。
 そこで、今年こそは、もう木全体がま黄色に色づくことを期待し、待っていました。幸いに刈り取る気配もなく、少しずつ緑の葉が、黄色くなっていくのを通るたびに見上げて、全部、黄色になったらさぞ見事だろうと思っていました。
ところがです。無粋にも、昨日のうちにすっかり刈り取られ、無惨な姿になっていたのです。ちょっと一日だけ通らなかったときに、業者によって刈り落とされたのでしょう。そういえば、もっと大きな通りのプラタナスもすっかり枝が切られていました。がっかりしました。しかたがないとあきらめるしかないでしょうか。
 たしかに落ち葉は、歩く人や車には邪魔な存在でしょう。舞い散り、雨でも降れば、地べたに張り付いて汚らしく、また通行の妨げになるでしょう。だから、色づき散る前に刈り取っておく。おそらくそのほうが近所の住民からの苦情も少ない。たぶん迷惑な木にすぎないのでしょう、住民にとって見れば。
 最近、落ち葉を嫌ってか、街路樹なども常緑樹が目立つような気がします。
 でも、それなら、なぜ紅葉を愛でる「楓」を街路樹にしたのでしょうか。
 街路樹が常緑樹にとって変わられることで、ますます秋の風情が失われ、町並みの無季節化が進んでいき、ついでに、通り行く人々の心までも無機質化させていくような気がしてなりません。
コメント
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