おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書125「ことばと思考」(今井むつみ)岩波新書

2010-12-15 23:09:37 | 読書無限
 筆者は、認知心理学者。専門は、乳幼児におけるアクションイベントの単位分割、カテゴリ化、言語化に関する研究=言語獲得・認知発達。言語学習における学習方略の自己形成プロセス=認知心理学・言語発達。
この書は、言語を獲得していない乳幼児はどのように世界(対象)、客体を認識しているか。「ウォークの仮説」をもとにそれを実証的に追認していきながら、さまざまな実証的研究、観察を通して「言語」獲得と「思考」の関わりについてアプローチしています。乳幼児の言語獲得によって世界をどのように識別・認識していくか。特に一般化・普遍化していくに当たっては、言語獲得が重要な意義を持っていることなど、仮定を立てて実験証明していく試みは面白い。
これまでにも、日本人の研究者の中でも、鈴木孝夫(言語と文化)、丸山圭三郎(ソシュールの言語論に基づく)の記号論・言語論の立場、また浜田寿美男(発達心理学の立場から)の実証的な研究成果。あるいは、市川浩の身体論「乳幼児の自他認識」など興味深い研究視点(哲学)からの論考があります。私もけっこう読んだものです。その意味では、再確認する内容も多かったのですが、挙げられた多くの事例は、どれも興味深いものでした。
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