最近読んだ本の中で、興味深かった一冊。寡聞にしてこの著者の著作を読んだことがなかったが、実におもしろい内容。
前書きにもあるが、西洋美術の歴史において、その美的対象は、「人間」の「肉体」であったという。この視点から比較芸術論(日本と西洋の美的対象の歴史的差異)についての論考である。
かなりの力作と見た。取り上げている三島由紀夫、谷崎潤一郎の「肉体」観あたりは、ある程度これまで理解してきたつもりだったが、あらためて「日本人そのまま」「日本人離れ」という二項対立に基づく分析はおもしろかった。
この方は、「芸術の皮膚論」という立場から論考を進めてきたとのこと。
多くの美術作品(古今東西の絵画、とりわけ彫刻)を参考資料として掲げながらの論述。説得力のある内容であった。最近、「ミロのヴィーナス」に関するものを読んだせいもあって、ヘレニズム文化のあり方やトルソーへの言及などは、個人的には、大変興味深かった。特に、描かれた(彫られた)衣服の襞のこだわりなどは、新たな視点を感じた。
一頃、「現象学」からの人間の肉体、着衣、化粧などへの哲学的(?)解明がはやったが、西洋美術史(比較文化論)からの視点からのアプローチはおもしろい。
実証的な論述に一気に読破させられた。
なお、蛇足ながら教科書出版会社である「東京書籍」から出版されたことも、著者との関連で興味深かった。
前書きにもあるが、西洋美術の歴史において、その美的対象は、「人間」の「肉体」であったという。この視点から比較芸術論(日本と西洋の美的対象の歴史的差異)についての論考である。
かなりの力作と見た。取り上げている三島由紀夫、谷崎潤一郎の「肉体」観あたりは、ある程度これまで理解してきたつもりだったが、あらためて「日本人そのまま」「日本人離れ」という二項対立に基づく分析はおもしろかった。
この方は、「芸術の皮膚論」という立場から論考を進めてきたとのこと。
多くの美術作品(古今東西の絵画、とりわけ彫刻)を参考資料として掲げながらの論述。説得力のある内容であった。最近、「ミロのヴィーナス」に関するものを読んだせいもあって、ヘレニズム文化のあり方やトルソーへの言及などは、個人的には、大変興味深かった。特に、描かれた(彫られた)衣服の襞のこだわりなどは、新たな視点を感じた。
一頃、「現象学」からの人間の肉体、着衣、化粧などへの哲学的(?)解明がはやったが、西洋美術史(比較文化論)からの視点からのアプローチはおもしろい。
実証的な論述に一気に読破させられた。
なお、蛇足ながら教科書出版会社である「東京書籍」から出版されたことも、著者との関連で興味深かった。
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