前著「戦争における『人殺し』の心理学」で、第二次世界大戦では15%~20%の兵士しか敵に向かって発砲しておらず、「兵士は人が殺せない」がテーマでした。その後、軍は訓練法を改良し、ベトナム戦争では90%を超える発砲率になった。しかしそれは深刻な副作用をもたらす。本来なら殺せないはずの人を殺した兵士は精神を病むようになってしまった、という内容でした。
この書は、そうした事態を受けて、次の問題意識としては「では、人を殺しても精神を病まない兵士を育てるにはどうしたらよいか」と。この書は、その回答編。
戦闘中の人体の解剖学。戦闘という過酷な現実の中で、身体機能、精神作用はどのように刻々と変化していくか。
戦闘中の知覚の歪み。目と耳の働き、記憶の喪失、空白、歪み、欠落・・・。(余談だが、大岡昇平が「俘虜記」で、一人の敗残兵としての己と若い米兵との遭遇・接近・別れを当時の心理状態を想い起こしながら克明に自己分析している。それを彷彿される内容でした。)
さらに殺す決断の瞬間の心理状態を煙りがかった時とし、「煙」が晴れた後の兵士の心理状態(殺人への複雑で否定的な感情をどう克服するか、など、徹底して正義の使者として正義の武器を用いての戦闘行為を全面的に肯定しています。
聖書の「汝殺すなかれ」を謀殺はしてはならないという意味であって、けっして正義のための(正義を守るための)殺人行為は許される、とりわけ戦闘場面における兵士の「殺人」に踏み込む兵士を鼓舞しています。たまには、こうした人間の本能的攻撃性・防御性を徹底して肯定する書も面白いと言えますが。
スポーツでも特に野球では戦闘用語がふんだんに用いられています。なにしろ、巨人軍ですから。
この書は、そうした事態を受けて、次の問題意識としては「では、人を殺しても精神を病まない兵士を育てるにはどうしたらよいか」と。この書は、その回答編。
戦闘中の人体の解剖学。戦闘という過酷な現実の中で、身体機能、精神作用はどのように刻々と変化していくか。
戦闘中の知覚の歪み。目と耳の働き、記憶の喪失、空白、歪み、欠落・・・。(余談だが、大岡昇平が「俘虜記」で、一人の敗残兵としての己と若い米兵との遭遇・接近・別れを当時の心理状態を想い起こしながら克明に自己分析している。それを彷彿される内容でした。)
さらに殺す決断の瞬間の心理状態を煙りがかった時とし、「煙」が晴れた後の兵士の心理状態(殺人への複雑で否定的な感情をどう克服するか、など、徹底して正義の使者として正義の武器を用いての戦闘行為を全面的に肯定しています。
聖書の「汝殺すなかれ」を謀殺はしてはならないという意味であって、けっして正義のための(正義を守るための)殺人行為は許される、とりわけ戦闘場面における兵士の「殺人」に踏み込む兵士を鼓舞しています。たまには、こうした人間の本能的攻撃性・防御性を徹底して肯定する書も面白いと言えますが。
スポーツでも特に野球では戦闘用語がふんだんに用いられています。なにしろ、巨人軍ですから。
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