アレクサンドル・カントロフ
「“カントロフはリストの生まれ変わりだ。私は、彼のように楽器を操り、これらの作品を奏でるピアニストを他に知らない”
Jerry Dubins(『ファンファーレ』誌」
アンコールの一曲目「グルック(ズガンバーティ編):精霊の踊り」が終わると、「NICE!」という声が聞こえた。
演奏していたカントロフが発したもので、いわば「自演自賛」である。
それほど素晴らしいパフォーマンスだった。
ただ、弾く方はもちろん、聴く方も非常に消耗する曲目の選択である。
シューマンのピアノ・ソナタ第1番 嬰へ短調 op.11を除けば、「死」と「冥界」がテーマなのだから。
(「精霊の踊り」もそうである。)
ちなみに、スクリャービンは、「善なる一者との合一」を理想としていたそうだが、この種の思想がロシアで受け入れられるのには、おそらく何らかの理由がありそうである。
とはいえ、こうした不気味でどろどろとした世界を、若い天才ピアニストは、テクニックと力技で見事に浄化してくれたようだ。
それにしても、ガルシア・ガルシアもそうだが、最近、鼻歌まじりに演奏する若手ピアニストが増えているような気がする。
「“カントロフはリストの生まれ変わりだ。私は、彼のように楽器を操り、これらの作品を奏でるピアニストを他に知らない”
Jerry Dubins(『ファンファーレ』誌」
アンコールの一曲目「グルック(ズガンバーティ編):精霊の踊り」が終わると、「NICE!」という声が聞こえた。
演奏していたカントロフが発したもので、いわば「自演自賛」である。
それほど素晴らしいパフォーマンスだった。
ただ、弾く方はもちろん、聴く方も非常に消耗する曲目の選択である。
シューマンのピアノ・ソナタ第1番 嬰へ短調 op.11を除けば、「死」と「冥界」がテーマなのだから。
(「精霊の踊り」もそうである。)
ちなみに、スクリャービンは、「善なる一者との合一」を理想としていたそうだが、この種の思想がロシアで受け入れられるのには、おそらく何らかの理由がありそうである。
とはいえ、こうした不気味でどろどろとした世界を、若い天才ピアニストは、テクニックと力技で見事に浄化してくれたようだ。
それにしても、ガルシア・ガルシアもそうだが、最近、鼻歌まじりに演奏する若手ピアニストが増えているような気がする。