パルジファル〈新制作〉
「《二期会創立70周年記念公演》 フランス国立ラン歌劇場との共同制作公演 東京二期会オペラ劇場」
オペラ対訳ライブラリー ワーグナー パルジファル 高辻知義 訳
「共苦によって智を得たる 純粋なる愚者、彼を待て、我が選びたる彼を。」(p29)
ワーグナーによれば、「共苦」(Mitleid)は、パルジファルに智を与えるものであるという。
この解釈は難しいが、ここはやはりニーチェ先生に解説してもらうのがいいだろう。
ツァラトゥストラ ニーチェ 著/手塚富雄 訳
「わたしの見るところでは、君たちはあまりにも残忍なまなざしをしている。そして悩んでいる者たちを淫らな目でながめるのだ。それはただ、淫欲が変装して、同情と自称しているのではないか。」(p85)
ツァラトゥストラは、「共苦」(Mitleid)は「淫欲」(Wollust)が変装したものであると指摘している(手塚先生は「同情」と訳している。)。
補足すると、抑圧された対象リビドーが、承認を求めて変装し、「精神上の仕事」で認めてもらいたがり、とりわけ悩んでいる者たちに同情する(「共苦」)そぶりをしながらも、実は、他人が苦しむ姿を見て、淫欲が満たされるのを感じ、舌なめずりして喜んでいる(手塚先生の表現)わけである。
何やらサディズムのようであるが、私見では、ニーチェ先生が「パルジファル」を酷評した理由は、これだけにとどまらない。
「《二期会創立70周年記念公演》 フランス国立ラン歌劇場との共同制作公演 東京二期会オペラ劇場」
オペラ対訳ライブラリー ワーグナー パルジファル 高辻知義 訳
「共苦によって智を得たる 純粋なる愚者、彼を待て、我が選びたる彼を。」(p29)
ワーグナーによれば、「共苦」(Mitleid)は、パルジファルに智を与えるものであるという。
この解釈は難しいが、ここはやはりニーチェ先生に解説してもらうのがいいだろう。
ツァラトゥストラ ニーチェ 著/手塚富雄 訳
「わたしの見るところでは、君たちはあまりにも残忍なまなざしをしている。そして悩んでいる者たちを淫らな目でながめるのだ。それはただ、淫欲が変装して、同情と自称しているのではないか。」(p85)
ツァラトゥストラは、「共苦」(Mitleid)は「淫欲」(Wollust)が変装したものであると指摘している(手塚先生は「同情」と訳している。)。
補足すると、抑圧された対象リビドーが、承認を求めて変装し、「精神上の仕事」で認めてもらいたがり、とりわけ悩んでいる者たちに同情する(「共苦」)そぶりをしながらも、実は、他人が苦しむ姿を見て、淫欲が満たされるのを感じ、舌なめずりして喜んでいる(手塚先生の表現)わけである。
何やらサディズムのようであるが、私見では、ニーチェ先生が「パルジファル」を酷評した理由は、これだけにとどまらない。