Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

私が担保だ!

2022年07月04日 06時30分27秒 | Weblog
「そごう・西武」売却、ソフトバンクG傘下の米ファンド「フォートレス」に優先交渉権
 「セブン&アイ・ホールディングスが進めている傘下のそごう・西武の売却先として、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが優先交渉権を得たことがわかった。

 「そごう」と言えば、ダイエーとともに業界を席巻した巨大企業だが、今や「諸行無常の響きあり」という感が強い。
 平成の時代に世間を騒がしたそごうの経営破綻問題は、日本の取引社会における「信用の不成立」の象徴でもあった。

そごうの栄枯盛衰に見る絶対強者に生じる綻び 堅牢なビジネスモデルが逆に企業を危うくする
 「例えば、千葉そごうが軌道に乗ると、今度は千葉そごうが出資して、柏そごうを設立。さらに柏そごうと千葉そごうが共同で札幌そごうなどに出資するという形です。地価が上がっていれば、担保によって銀行から新たな資金を調達することができ、そうして新しい店舗を広げていったのです。
 しかし、このサイクルはいくつかの重大な問題をはらんでいます。
 1つ目は、そごうの独立法人同士が支え合う複雑な形になっていたため、経営の内情がブラックボックスになること。これに水島社長のカリスマ性が合わさって、誰もグループ全体の経営状況を把握できない状況になりました。
 資金の貸し手である銀行も、そして当の水島社長ですら、正確な全体像を把握していなかったといわれています。各社ともに独立法人であったために、人的交流もなく、数字の基準もバラバラな状態が放置されていました。恐ろしい規模のどんぶり勘定が許されてしまっていたのです。

 
 水島廣雄社長(当時)は、「企業担保法」の論文で法学博士号を取得し、日本興業銀行からそごうに天下ったというユニークな経歴をもつ人物である。
 だが、私見では、「客観的意義における企業」(譲渡担保を巡るエトセトラ(5))を神格化するかのような彼の発想に、既に崩壊の芽があったと思う。
 彼の名言「私が担保だ!」は、譲渡担保権者と同じ思考を基盤に持つものであり、これだけでも、信用が成り立っていないことは明白だったのである。
 ところで、現時点において、こうした「信用の不成立」という問題が解決されたわけではない。
 今度の買い手(の中核企業)は、借金による買収でどんどん拡大してきたわけだが、今後仮に”借入金バブル”が崩壊したら、一体どうなるのだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする