Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

7月のポトラッチ・カウント(8)

2024年07月27日 06時30分00秒 | Weblog
(2)第2幕
 ① 備中高松塞の場
 備中国高松城は、秀吉による水攻めにより、城主清水宗治はじめ軍師:鈴木北頭重成らは三カ月に及ぶ籠城中。
 幕開きに、ちょっとしたコントが始まる。

 「そしてこの4人の年齢を足しますとなんと327歳。
 歌舞伎史上4人での幕開きの最高齢でしょうか?(笑)
 平均年齢81,75歳・・・
 私が平均を引き下げている・・・と云う事にしておきましょう。一応。(中略)
 この私以外の台詞は3人とも同じセリフがループになっていて
 私一人がその都度、違う事を喋っております。

 1930年生まれの寿猿さん(御年94歳!)ら3人のセリフがループするという、アメリカ大統領選顔負けの場面である。
 次に、場面は変わって喜多頭一家の家族会議。
 秀吉との和睦に失敗した息子:孫市は当主:喜多頭から勘当されており、家の外から様子を窺っている。
 すると、喜多頭は、起死回生の秘策として、主君宗治の首を打って秀吉に捧げるという、主君への裏切りを計画している。
 これを妻と義母は止めようとするが、かえって喜多頭に打ち据えられる。
 これを見かねた孫市は家に入り、喜多頭に斬り掛かる。
 主君への「忠」を父への「孝」に優先させるのが当時の武士の倫理観だったからだろう。
 すると、喜多頭は、
 「でかした倅!
と叫んで自ら刃を腹に突き立て、自分の首を秀吉に差し出すよう命じる。
 喜多頭は、敗色濃厚と見ていたところ、本能寺の件を知って、今なら秀吉は和睦に応じると考え、自らの首を差し出そうとしたのである。
 その際、孫市に手柄を立てさせれば一石二鳥だというので、さきほどは主君を裏切る内容の芝居を打っていたのだった。
 ここら辺は、どうも既視感を感じさせる展開である。
 そう、「我が子を錯誤に陥らせて自殺させる」パターンの「和田合戦女舞鶴」(5月のポトラッチ・カウント(5))を変形させた、「我が子を錯誤に陥らせて自分を殺させる」という、「間接正犯」の類型なのである。
 というわけで、イエ(=藩)を救うために喜多頭が自分の首を犠牲に捧げたことから、これによるポトラッチ・ポイントは5.0:★★★★★。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする