「体験コーナー
※ロビーに能・狂言の面装束体験コーナーを設けます。事前申込不要。
プレトーク 観世喜正(シテ方観世流)
狂言 附子(ぶす) 野村太一郎(和泉流)
能 熊坂(くまさか) 遠藤和久(観世流)
※能と狂言をコンパクトにお楽しみいただく公演です。
※体験コーナーに関するお問い合わせ:国立能楽堂企画制作課(03-3423-1331・代)
*字幕あり(日本語・英語・日本語現代語訳)」
※ロビーに能・狂言の面装束体験コーナーを設けます。事前申込不要。
プレトーク 観世喜正(シテ方観世流)
狂言 附子(ぶす) 野村太一郎(和泉流)
能 熊坂(くまさか) 遠藤和久(観世流)
※能と狂言をコンパクトにお楽しみいただく公演です。
※体験コーナーに関するお問い合わせ:国立能楽堂企画制作課(03-3423-1331・代)
*字幕あり(日本語・英語・日本語現代語訳)」
「ショーケース」というのは、能・狂言の初心者や外国の方向けにわかりやすく工夫した設定という意味をあらわしているようだ。
ちなみに、字幕がある能楽堂は、日本ではこの国立能楽堂だけらしい。
客席はほぼ満席で、外国の方も結構いらっしゃる。
演目も、分かりやすい定番のものが選ばれているようだ。
というわけで、まずは狂言「附子」。
現在、狂言は小学6年の国語で学ぶことになっているが、「附子」ではなく、「柿山伏」などが取り上げられているらしい。
「ある家の主人が、用事ができたので山の向こうへ出かけることになりました。
その際、主人は太郎冠者と次郎冠者に葛桶を見せながら
「これは猛毒だ。桶を通り過ぎた風に当たっただけで死んでしまう恐ろしい附子が入っているので、十分に気を付けて留守番をするように」
と言い付けて出かけて行きました。
(中略)
猛毒だと聞いていた附子ですが、どうにも美味しそうな物に見えた太郎冠者は一口食べ、そして叫びました。
なんと中に入っていたのは猛毒ではなく、お砂糖だったのです!
そうと分かれば次郎冠者も食べたくて仕方ありません。
奪い合うようにお砂糖を食べた結果、桶の中はあっという間に空っぽになってしまいました。
しかし、あれだけ主人に厳しく言われていたのにもかかわらずお砂糖を食べてしまった事がバレたら大変です。
主人が帰ってきたら謝ろうという次郎冠者ですが、一方の太郎冠者には妙案がありました。
なんと2人は主人が大切にしている床の間の掛け軸を破り、さらには家宝の天目台(茶碗を乗せる台)を木っ端微塵に割るのです。
(中略)
用事から帰ってきた主人は、大泣きしている2人と無残な品々を見て、どうしたのかと事情を問います。
すると2人はこう答えました。
「留守番中に寝ないよう相撲をしていたら、掛け軸と天目台を破壊してしまった。死んで詫びようと附子を食べたがついに死ねなかったのです」 」
その際、主人は太郎冠者と次郎冠者に葛桶を見せながら
「これは猛毒だ。桶を通り過ぎた風に当たっただけで死んでしまう恐ろしい附子が入っているので、十分に気を付けて留守番をするように」
と言い付けて出かけて行きました。
(中略)
猛毒だと聞いていた附子ですが、どうにも美味しそうな物に見えた太郎冠者は一口食べ、そして叫びました。
なんと中に入っていたのは猛毒ではなく、お砂糖だったのです!
そうと分かれば次郎冠者も食べたくて仕方ありません。
奪い合うようにお砂糖を食べた結果、桶の中はあっという間に空っぽになってしまいました。
しかし、あれだけ主人に厳しく言われていたのにもかかわらずお砂糖を食べてしまった事がバレたら大変です。
主人が帰ってきたら謝ろうという次郎冠者ですが、一方の太郎冠者には妙案がありました。
なんと2人は主人が大切にしている床の間の掛け軸を破り、さらには家宝の天目台(茶碗を乗せる台)を木っ端微塵に割るのです。
(中略)
用事から帰ってきた主人は、大泣きしている2人と無残な品々を見て、どうしたのかと事情を問います。
すると2人はこう答えました。
「留守番中に寝ないよう相撲をしていたら、掛け軸と天目台を破壊してしまった。死んで詫びようと附子を食べたがついに死ねなかったのです」 」
ここでのポイントは、太郎冠者と次郎冠者が「死んで詫びようと附子を食べた」という点である。
「主人が受けた損害を償うため、使用人が自らの命を奉げる」というのは、封建制下における典型的なポトラッチであるが、太郎冠者はこれを逆手にとって、「掛け軸と天目台を破壊したことへの代償として、自らの命を捧げる」という、”偽ポトラッチ”を演じて見せた。
これが、自分たちを信じようとしない主人への反撃であることは言うまでもない。
というわけで、「附子」におけるポトラッチは偽物なので、ポトラッチ・ポイントはゼロ。