Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

辞めた人にも優しい組織

2024年09月02日 06時30分00秒 | Weblog
 「エチュード」
振付:ハラルド・ランダ―
音楽:カール・チュルニー/編曲:クヌドーゲ・リーサゲル
東京バレエ団初演:1977年5月4日、東京文化会館
8/31(土) 秋山 瑛、宮川新大、秋元康臣(ゲスト)
9/1(日) 秋山 瑛、宮川新大、池本祥真
 「ドリーム・タイム」
振付:イリ・キリアン
音楽:武満徹
東京バレエ団初演:2000年5月27日、東京文化会館
沖香菜子、金子仁美、三雲友里加、宮川新大、岡崎隼也
 「かぐや姫」よりパ・ド・ドゥ 
演出振付:金森 穣
音楽:クロード・ドビュッシー
東京バレエ団世界初演:2023年10月20日、東京文化会館
かぐや姫:秋山 瑛
道児:柄本 弾
 「ロミオとジュリエット」第1幕よりパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
東京バレエ団初演:2022年4月29日、東京文化会館
ジュリエット:足立 真里亜
ロミオ:池本 祥真
⑤「ボレロ」
音楽:モーリス・ラヴェル
振付:モーリス・ベジャール
東京バレエ団初演:1982年7月19日、東京文化会館
メロディ:上野水香(ゲスト・プリンシパル)

 NHKホールで開催される東京バレエ団の公演に行くのは、これが初めてである。
 東京バレエ団の”ホーム”は東京文化会館だが、近いうちに建て替えが予定されているため、今のうちに臨時の”ホーム”をいくつか作っておきたいという狙いがあるのかもしれない。 
 だが、本当のところはよく分からない。
 第一部の演目「エチュード」が始まるや、普段と違う会場ということもあってか、登場するダンサーの緊張ぶりが目につく。
 群舞のダンサーたちの足元が震えているだけでなく、主役どころの一部ですら、普段はまず見られない着地で足元がブレる場面が見られた。
 題名のとおり、「バレエの練習風景」を描いたものだというが、これほど激しい動きを毎日レッスンでやることはまず考えられない。
 最後は皆さん肩で息をしているような状況であるが、びくともしない秋山さんの安定ぶりが光る。
 第二部の最初の演目「ドリーム・タイム」は、武満徹の音楽に乗せて夢幻的な世界をダンスで描写したもの。
 音楽にコリオがよくマッチしているが、キリアンと武満は仲が良かったらしく、二人で訪れたオーストラリア旅行での体験がモチーフとなっている。
 ちなみに、キリアンは、東京バレエ団のレパートリーに入っている「小さな死」でもそうだが、「地面に寝そべった男性が女性を持ち上げる」コリオが大好きで、この演目でも頻出する。
 続く「かぐや姫」のパ・ド・ドゥでは、またしても秋山さんが登場し、安定したダンスを見せる。
 結構スリリングなリフトなどもあるが、安心して観ていられる。
 第二部のラストは、ジョン・クランコ版ロミジュリのバルコニーのパ・ド・ドゥ。
 8月は世界バレエフェスティバルでマクミラン版を2回観ているが、いずれも音楽は生演奏で素晴らしかった。
 今回の東バは、東京シティ・フィルが来ているにもかかわらず、なぜか録音音源を使ったのだが、その分ダンスの迫力が落ちる。
 やはりこの演目は生演奏が必須だろう。
 第三部(というかトリ)は、言うまでもなく水野さんの「ボレロ」だが、今回は生演奏である。
 ダンサーの呼吸と音楽のリズムがマッチしており、録音音源版より優れているが、欲を言えば、金管楽器をもっと増やすとラストの迫力が増したと思う。
 カーテンコールには、新団長、新芸術監督やスタッフさんたちも登場。
 ところで、今回の公演で印象的だったのは、既に退団している水野さんや秋元さんが主役を務めたことである。
 こういうところから、このバレエ団は「辞めた人にも優しい組織」であることが窺える。
 今期の退団者の数をみても、東バは他の大手バレエ団よりかなり少ないのだが、退職者が少ない組織というのは、普通に考えるとよい組織なのだろう。
 ・・・そういえば、対照的な組織もある。
 辞意を告げた社員に対し、人事担当者が「二度とうちの敷居は跨がせないぞ!」と凄むカイシャもあるのだ(敷居を股がせない)。
(ちなみに、このカイシャは、はるか昔には、辞める社員に上司が「戻りたかったらいつでも戻ってこい」と声をかける、比較的まっとうな組織であったようだ(「「超」文章法伝えたいことをどう書くか」野口悠紀雄 著p223。その後、20~30年で異質な思考を持った勢力に乗っ取られたのだろうか?)。
 いや、フィクションの世界ではあるが、もっとすごいのがある。
 組織(とは言っても、3人組の掏摸グループ)から脱退するメンバーに塩を撒くだけでなく、恐喝をしてくる三次のような人物もいるのだ(6月のポトラッチ・カウント(2))。
 
コメント
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