Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

9月のポトラッチ・カウント(10)

2024年09月26日 06時30分00秒 | Weblog
  「9月に上演される『マクベス』は、チョン・ミョンフンと東京フィルによる〈ヴェルディ×シェイクスピア三部作〉の大団円である。
 「『マクベス』では、出発点であるシェイクスピア作品はとてもパワフルで、そのため音楽と言葉の関係はとても濃く、近しいのです」

 オペラ「マクベス」を観る/聴くのはこれが3回目。
 チョンさんの演出は、一応演奏会形式だが、歌手は演技したり動き回ったりするし、今回は合唱隊も演技・移動を行うので、「セミ・ステージ形式」に近い。
 マクベス夫妻は声量のある歌手を揃えて来て、盤石の体制だが、前半で最も盛大なブラヴォーを浴びたのは、マクダフ役のステファノ・セッコだった。
 口から魂が飛び出さんばかりの熱唱なのである。
 さて、前半の山場というか、「回帰不能点」を示す(戯曲では2幕1場のラストの)「鐘」のくだりは素晴らしい。
 もともと殺人の前に「鐘」を鳴らすというシェイクスピアの発想が秀逸なのだが、それをヴェルデイがフルに活かしているのである。

よし、行くぞ、けりをつけてやる。鐘が呼んでいる。
聞くな、ダンカン、この鐘の音(ね)は
お前を天国か地獄に呼んでいる弔いの鐘だ。

 後半は、妻に主導されて行動してきたマクベスが、妻の死を契機に”自立”を始めるが、時すでに遅く破滅に至るという流れである。
 私も最初は錯覚していたがタイトル・ロール?、やはりこれはマクベスの変容を核心とするストーリーなのだった(タイトル・ロール(2) 
 ・・・「マクベス」では、殺人という手段により王位を簒奪したマクベス夫妻が、その代償として命を落としたことから、ポトラッチ・ポイントは、5.0×2人=10.0。

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