今のところ、本命視されているのは追い込み馬の④:K.S.号であり、私も本命=◎を付けて良いと思う。
K.S.号は、一見すると”イエ”の原理を体現した世襲政治家(四世)ではあるものの、「祖霊ナイン」の子孫ではないという点を見逃してはならない。
曾祖父:小泉又次郎は地元の請負師で、藩閥とは無縁であり、この出自からしてA.T.厩舎とソリが合うはずがない。
なので、K.S.号は地元のS.Y.調教師のもとに入厩(地縁結合)しており、そのことは調教師自身も公にしたばかりである。
なお、S.Y.調教師は、かつて「世襲禁止」を強く主張したこともある「アラブの星」で、官僚OBでもなく、あえて言えば党人派として頭角をあらわした人物である。
つまり、”疑似イエ”である「政党」を基盤としている。
しかも、この調教師は、①:I.S.号とも友好関係にある。
I.S.号も、”イエ”の原理を体現した世襲政治家(二世)ではあるものの、「祖霊ナイン」の子孫ではない。
父:石破二朗は地元の農家の子で、帝大→内務官僚→政治家(鳥取県知事、参院議員)という、藩閥とは無縁の出自・経歴をもつ。
このI.S.号は、マスコミの調査などによれば、対抗=〇の位置づけのようである。
「自民党の石破茂元幹事長は17日、文芸春秋のオンライン番組で、菅義偉前首相との間に一定の信頼関係があるとの認識を示した。9月に想定される党総裁選で菅氏らの協力を得る考えがあるかを問われ、「菅氏とは一緒にいろんな苦労を共にしてきた。苦労を共にしたのは一つの信頼の要素ではないか」と述べた。」
さらに、S.Y.調教師は、ここに来て、ライバル:A.T.厩舎と提携していた⑪:M.S.号とも接近しているという情報がある。
M.S.号は、「祖霊ナイン」とは無縁でかつ世襲でもない、いわば「党人派」なので、S.Y.調教師とは親和性(”疑似イエ”結合)がある。
「「茂木敏充幹事長が麻生氏を見限って“菅詣で”を始めました。8月20日の夜、菅氏と都内の中華料理店で1時間半ほど会食。その後、茂木氏は“日本の将来について、とても良い話ができた”と喜色満面でしたよ」
茂木氏は決選投票で菅系候補を支援する見返りに、自身の要職への起用を求めたとみられるが、
「茂木氏はこれに先立つ14日に麻生氏と会食し、支援を要請して断られた。店から出た時の不機嫌な表情からも明らかでしたね」」
この情勢だと、「2位までに自分が”乗れる馬”を食い込ませる」というA.T.調教師の戦略は奏功せず、S.Y.厩舎の勝利ということになりそうである。
以上をまとめると、今回のレースの構図はおおむね以下のとおり。
・単なる馬どうしの競争ではなく、実態は調教師どうしの覇権争い:A.T.調教師 v.s. S.Y.調教師である。
・”イエ”(KON.T.号やK.S.号など)と”疑似イエ”(KOB.T.号やM.T.号など)の対立という単純な図式は当てはまらない。
・その本質は、「祖霊ナイン」の子孫たち(A.T.調教師や出走を回避したK.F.号など)と「アンチ祖霊ナイン」(S.Y.調教師、K.S.号、I.S.号など)の対立である。
要するに、今回のレースは、「藩閥存亡ステークス」なのである。
このことを踏まえて予想を行うと、現状は、前述のとおり、「アンチ祖霊ナイン」が優勢である。
このまま「アンチ祖霊ナイン」が勝利を収めた場合、「祖霊ナイン」の子孫たちは、非主流派に転落するか、派閥を実質的にも解散するか、ひいては引退せざるを得ない状況に追い込まれる可能性もある。
その場合、「祖霊ナイン」の子孫たちは、党外に活路を求め、立民競馬場や国民競馬場、はたまた維新競馬場との提携を模索することになるかもしれない。
ここで私が注目しているのは、「祖霊ナイン」の子孫たちと維新競馬場との連携が成るかどうかであるが、これについては、今のところは否定的に見ている。
そもそも、「維新」とは”祖霊リセット”の意であり、かつての藩閥が行なったのは、まさしくこれだった。
なので、藩閥の存続を志向する「明治維新」と、(明治以来の)既得権勢力の退場を求める「令和維新」とが両立することはあり得ない。
短期的には提携可能かもしれないが、長続きはしないと思われる。
かくして、可能性として残るのは、「祖霊ナイン」の子孫たちと立民競馬場又は国民競馬場との提携(連立?)ということになる。
これが決して突飛な予想でないことは、既に一部の官庁が「立・国シフト」を敷いてきたことから理解出来ると思う。
・・・さて、結果はどうなりますことやら?
普通に考えると、今回のレースは、馬券的な妙味は乏しいようである。
だが、この11月にも予想される「政権交代ステークス」の方は、かなりの高配当となる予感がする。