まだ途中、半ばくらいだが、この本はとても面白い(興味深い)
自分にとっては久しぶりの宮台さんの本だ
「まちづくり」と「哲学」の2つに分けると、この本は後者の方に重心がある(と思う)
「まちづくり」と言ってもどこかのまちの成功例を取り上げて、実行したスタッフの
苦労話を紹介するといった類の本とは全く異なって、そもそも良いまちとはなにかから
話はスタートする
冴えない状況が続く自分の住むまちの打開策の参考にでもなれば
と読みはじめたが、これが自分にとってはとてつもなく面白い
読書の楽しみのひとつは新しい知識や情報を与えてくれること
ついで自分の中で整理できていない考えをスッキリとまとめてくれること
そして単純にその本を読む時間を楽しむこと(ミステリーとか歴史小説)
ということになりそうだが、この本は2番めの要素と最初の要素が
良いバランスで納められている
だから、「やっぱり!」とか「自分で思っていたことは特別なことではなく
既に当たり前のことなのか」と再確認するような場面にちょくちょく出くわす
新城市の議会報告会でも視察報告の際に告げられたまちづくりの話
「あまりにも土木的発想に囚われすぎていないか、、、」
と言った言葉、つまり駅前の再開発は結局は道路工事とかで
すべてがうまくいくと思わせるような発想がダメだということが
当たり前のように展開されていく
よいまちとは何か?
機能的でありさえすれば果たしてそれで良いのか
ひところの一気に増加した団地のような単機能なまちづくりは
果たして人間の生きるリズム・感情にフィットしているか
そんな話からいろんな方面に展開していく
ここで話されている事柄、進め方は「朝まで生テレビ」みたいな
色合いがある
だが、あれほどあっちこちに話が飛ぶわけでもなく、基本的には
大きな流れから逸れることはない
最近本を読む時に利用するようになった付箋
もう何箇所もつけてある
それらは実感として納得できるものとか
既に確定していることでありながら単に自分が知らないだけのことやら
絶対に頭のなかに入れておかなければならないこととか、、
いろいろだ
そして、いろいろありずぎて、一言では済ますことが出来ない
良い本は読むことが楽しい
ウキウキして本に向かう
そして早く前に進みたいと思う反面、いつまでもこの時間のなかに
留まっていたいとも感じる
先日「戦争まで」加藤陽子著の本が多くの人に読まれると
世の中がやんわりと変わるのではないかと感じたが
この本もまちづくりの現場に携わっている人たち(特に現実的な作業を行う公務員)に
読まれると、まちづくりも土木的発想だけから抜け出させそうな気がするが、、
しかし、忙しくてすぐさま結果がほしいという現代人や
根気が続かなかったり、一見何の利用価値もなさそうなことに
想像力を駆使して読もうとするひとは、やっぱり多くはないのかもしれない
この本、最近読んだ本の中ではヒット作でもう今年の三冊の中に入りそうな雰囲気
とりあえず早く最後まで行きたい欲求を抑えることが出来ないので
少しばかり雑な読み方になっているが
あとで、付箋の部分を中心に再読することにしよう
全体の感想は、読み終えて機会があれば、、いつか
それにしても、頭のいい人は世の中にいるものだ
考え方は違うとしても宮台さんの博識ぶり・感情を伴う実感からの話の進め方、
世にある様々な考え方に関する理解力とそれを説明する能力
ホントすごい
先日、我々のグループの勉強会に講師として候補にあがっていたが
金銭の問題は分からないが、個人的には生で聞いてみたい人の一人だ