久しぶりに交響曲を一曲通して聴いた
CDではなくてレコードの方で(不調だったレコード再生は先日直った)
良い音悪い音というより自分は圧倒的にレコードの音のほうが好きだ
CDの音は録音スタジオできっちり余分な音は省かれている感じ
レコードの音はライブ会場で聴いている感じ
レコード再生は大音量も騒がしいというより音圧が違う
久しぶりに聴いたのはショスタコーヴィチの5番の交響曲(バーンスタイン指揮)
最近はオーケストラ曲より小編成の室内楽を聴くことが多くなっていた
まるで私小説とか独り言を聴くような感じで
大げさな人生観を語るような交響曲より
こうした音楽のほうが今の気分にフィットしていた
だが急にあれ(特に第3楽章)を聴いてみようかと言う気分になって
バーンスタイン指揮のニューヨークフィルのレコードを引っ張り出した
ロシアのウクライナ軍事侵攻以来ロシアの音楽家は
作曲家も演奏家も可愛そうな立場にある(知らず知らず避けているような)
彼らには罪はないが(ゲルギエフはプーチン支持で問題ありとされ
いろんなところで演奏拒否がなされている)
それで曲の良いものは良いと思い、久しぶりに手にしたのだった
この5番の生演奏はゲルギエフ指揮のマリインスキー劇場管弦楽団で
名古屋で聴いたが、これはなかなか良かった
音色が繊細で第1楽章では雪がどんどん積もっていくようなイメージのところ
第3楽章の静謐な木管同士の会話
そして圧倒的なフィナーレ
爪楊枝のような指揮棒を駆使して丁寧に指揮したゲルギエフ
なんか質感が普通の演奏と違うな、、と感じたことを覚えている
ところでこの5番は聴きどころがたくさんある
一番有名なのは第4楽章だが、マーラーの5番の第4楽章に匹敵すると思われる
第3楽章もとてもいい
寒々とした静かで内的な会話は、次の楽章との対比が際立っている
最近イライラすることの多いが、こうして音楽に向かい合うと
音楽は良いなあと素直に思う
そしてそれは自分の心を平安にしてくれるような気さえする
ところで聴き方の年齢による変化は
今のほうがモチーフ変形とか旋律の展開が聞き取れるようになっていて
その技術的なところが面白いと思うようにもなってきている
お気に入りのショスタコーヴィッチの5番の第3楽章はこんな音楽
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調作品47 第3楽章 チョン・ミョンフン指揮