パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

長期休暇

2017年01月24日 09時38分07秒 | あれこれ考えること

ドイツ人と日本人はよく似ていると言われていた
真面目で忍耐強く紀律をよく守るなど、、
(最近はそれほどでもないかもしれないが)

しかし明らかに全く違うことがある
それは休暇について
ドイツではUrlaub(ウアラウプ)という長期休暇がある
大概は夏休みとして取られるようだが、国中が同時にとってしまうと
観光地や交通が混雑するので州をずらして休みをとるようにしているらしい

たまたま、ドイツに関する本を読んでいたらこんな文章に出くわした
「正規雇用されている人は、1年の間に3週間の連続した休みを取らなければなりません」

日本人なら「すごいな」と思うが、これが当たり前のように実施されている
暑い夏にリュックサックを担いでローマを歩いているのはドイツ人、
カナリア諸島で聞こえる言語はドイツ語ばかり
といったエピソードはドイツ人のこの休暇の過ごし方を表している

それにしても単純にすごいな!と感じざるを得ない
それで世の中が(ドイツの社会が)回っているという事実に!
日本だったらこんなに休むときっと不安が心に浮かぶ
それは休む本人も、雇用主としての経営者もそうで 
居心地の悪さすら感じることになってしまうだろう

と言っても実は日本人でも出来ることならこのドイツ人と同じように
長期休暇を取りたいと思っているに違いない
それができないでいるのは、システム上の問題もあるが
有給休暇の消化率が低いのと同じ理由とも重なる
つまり、休むことに気が引ける、、という感情

日本はキリスト教の国ではないから仕事についての考え方は
「労苦」の認識はない
それどころか「道(どう)」に通じる 精神修養にも繋がる
一生かけて追求するものとしての認識が大手を振っている
しかし、流石にすべての仕事にこの考えを当てはめることは
無理で、そのように考えるべき仕事もあれば、
稼ぐためだけの労働契約に基づく仕事もあるということで
一括りに仕事とは!と決められなくなっている

ドイツは、このきまりを守って何故、経済的にやって行けているのだろう
働かない3週間の仕事量の損失(?)はどうやってカバーしているのだろう
そう言えばドイツでは店舗の閉店時間も早いし、日曜日には開いていない店も多い
サラリーマンの労働時間もそんなに多くないようだ
それでやって行けているという事実、なんでできているのか
(日本人の働き方は効率が悪いのか?)
これが不思議で仕方ない

みんながそうやっているから、抜け駆けは出来ないし、しない
(個別の競争は公平に保たれる)
意外とこういう点が大きいのかもしれない
話は飛ぶが、日本の元旦からの店舗の営業
これなどは確かに便利な面もあるが、働く人の事を考えると
別に開いていなくても前もって購入しておけばいいだけのことで
働く人の負担をかけてまで開いていてほしいとは自分は思わない

特別手当をもらうよりは、ゆっくりと家庭で家族の顔を見ながら
のんびりして正月を過ごしたいと思う人もいるだろうし
むしろその方が人間的で良いのではとさえ思う
(仕事によっては休めない仕事もあるが)

みんなでやれば怖くない
みんなで同じように休む
そうすれば、それに合うように社会は勝手に工夫する
その結果、心配した休まない社会との経済的な差は
生まれなくなるのでは、、と夢想家は考えてしまう

確かに、非現実的な理想かもしれないが
ドイツがウアラウプをとって、それで経済・社会が回っていくのを
研究してそれを日本に取り入れる努力をする研究者・実務家が
出てくれば良いのだが、、

※と思いつつ、現在の非正規社員の割合の多さや賃金格差
女性の労働条件(収入)の問題などもっと優先的に
手を講じる必要なもののほうが多いけれど

 





 

コメント
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