最近、購入したまま積読状態になっている本を手にすることが多い
せっかく買ってもったいない、、というのも理由の一つだが
それよりは興味がちょうどいいタイミングで盛り上がってきたことによる
前回は途中で投げ出したが、今再挑戦しているのが
歴史上では井伊直弼が行ったという大弾圧のことを、一次資料から事細かく紹介した本
井伊直弼は昨年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で井伊家の復興を実現した井伊直政の子孫
(おんな城主直虎では家康が「直政」と名付ける理由(井伊家の伝来の直の字に政次の政)がぐっと来た)
大学時代には同級生に彦根出身者がいて、高校時代には同級生が井伊家の末裔だったこともあって
この一族には少し関心があった
そんなこともあってか、ずっと前には舟橋聖一の「花の生涯」を読んだが、ここで記憶に残っているのは
井伊直弼本人よりは「村山たか」という女性のこと
井伊直弼の愛人もしくは長野主膳の愛人とされる人物で、桜田門外の変以後は井伊直弼に協力した人物は
罪に問われ、男(長野主膳など)は死刑(だったか惨殺)になったが、村山たかは女ということで
京都の三条河原で三日三晩欄干に縛られたままで放っておかれたが、それでも生きていたので
京都の一乗寺 詩仙堂近くの金福寺に尼となって余生を過ごした女性だ
男が主役の物語なのに、脇役の女性の方がイキイキしているのは、最近読んだばかりの吉川英治の
「鳴門秘帳」でも同じで、法月弦之丞よりも女スリの「見返りお綱」のほうの描写のほうがイキイキとしている
結局のところ、男というやつは女のほうが気になるってことなんだろう、きっと(作者も読者も)
ところで、この本に再挑戦の直接のきっかけは、少し前読んだ「明治維新と幕臣」角松英樹著が面白くて
その中では阿部正弘という老中が、どうやら優秀な人物だったらしく、それを引き継いだ堀田正睦、、
それから井伊直弼とつながるものだから、、このあたりの歴史を再確認してみようと思ったわけだ
この本は専門的な本で一次資料(手紙など)から、時代背景や心理状態を解説していく
登場人物が多くて、名前が覚えられないのは相変わらずで情けないが、それでも大きな流れは
歴史の教科書で習ったのとは違うような、そんなに単純な流れではなかったことが分かる
要は今の政治の権力闘争・利権争いに通じるものが具体的に提示される
なるほど、そういうわけか、、とわかったような気になれる
それにしても人は「合う合わない」というのがある
井伊直弼と水戸斉昭、慶喜とは反りが遭わなかったようだ
それと今読んでる時点では井伊直弼は怒りっぽい人物だったのかな、、と、勝手に想像してしまう
ということで途中の段階で、あの時代の空気をあれこれ想像できるのはそれなりに面白いし
黒船の出現以来、幕府は様々な情報のもと、現実的な対応をしており
鎖国を続けるべしとする理想主義者よりは見る目があったとも言える印象をもつ
結果責任の政治は正しい情報を掴むことが大事だが、あの時代これができていたのは
もしかしたら幕府の方だったのではとも思う
しかし、個人的には慶喜は、、どうも好きじゃないな、、(戊辰戦争直前に大阪城から抜け出すところとか、、)
ところで、「村山たか」関連では京都に行った時、金福寺には足を運んでいるし
「村山たか」を主人公とした小説「姦婦にあらず」諸田玲子著も興味があって手にしている
ただ、これも途中でストップしたままなので、現在の本を終えたら再挑戦するつもり
それにしても夜中に目が覚めて本を読もうとすると、かすみ目でよく文字が見えないのは
、、、困るな