パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「そんなはずではなかった!」と思わないためには

2024年01月08日 09時43分18秒 | あれこれ考えること

朝からニュースは自民党のパーティ券ノルマ達成以上のお金が
プールされた件で逮捕者が出たことを伝えている

又聞きだが、朝生で「なぜ政治にはそんなにお金がかかるのだろう?」
という問に、片山さつき氏が
「全国から(?)為書きを依頼されると、それだけで2〜300万円かかる」
と答えたそうだ
「そんなもの、やめればいいじゃないか」
と一蹴されたようだが「為書き」という聞き慣れない言葉が気になって
多分アレだろうと想像しながらネットで調べると
やはり選挙事務所にやたらと多く掲げられる有力政治家の名前が書かれたものだった

そんなものは事務所に来た人しか見ることはできないし
そもそも選挙事務所に来る人は始めから応援している人だろうし
そんなに役立つとは思えない

政治にお金がかかるは、選挙はお金がかかると言い換えることができそうで
●当▲落という言葉があって、●億円準備できれば当選し
▲億円しか準備できないと落選するという意味だ
(つい受験時の○時間寝ると合格で、△時間寝ると不合格という
 徹夜の勉強を強いた言葉を思い出した)

実際、選挙はお金がかかる
衆議院小選挙区では300万円を一時預り金として収める制度があって
選挙が終われば、そのお金は返却されるが
投票数が規定以上に達しない候補者は、この供託金は没収される
これは地方自治体の選挙でも同じで、新城市議会選挙の供託金は30万円だ

特に国会議員については、世界の国と比べて金額が大きくて
以前から問題視されているようだ
OECD 加盟国の選挙供託金制度について→170726OECD.pdf (greens.gr.jp)
選挙は地盤(支持者層)・看板(知名度)・鞄(お金)と言われるが
鞄のお金が無いと立候補すらできないものになっている

ところで、日本の投票率はすごく低いが、2年ほど前に読んだ本の中に
(スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む)
「自分たちの意志とか行動で社会を変えることはできない」
との考えに否定的な回答者と肯定的な回答の割合を比較したものがあった

ここで衝撃的なのは日本は「イエス」と答えた割合が圧倒的に多いことで
他国は「ノー」の答えがそれなりにあった
つまり、日本は自分たちで何かを変えられないという無力感に苛まれている国
ということで、単に投票率が低いだけの問題ではなさそうだ

そこで、次に投票しない人の意志は誰によって反映されるかを想像してみた
統計の世界によくある一部サンプルを取り出して調べることによって
選挙結果で全体の傾向(意志)を見ることができるというのは
投票する人は必ずしも日本の全体像では無いから、その理屈は使えない
(投票する人は利権に関わる人だったり、決まった党の応援者だったりして
  投票しない人たちとは著しく異なると思う)

だが投票しない人の意志は、結果的には選挙結果の数に反映されてしまう

話は変わるがイギリスのユーロ離脱の国民投票の時、
多くの国民は「離脱に対し反対」との結果になるだろうと思い込んでいて
結果がわかっているから、少しは賛成票を投じてみるか、、
との安易な考えで投票してしまった人が多かったそうだ
結果を見て「そんなはずではなかったのに、、」と途方にくれたそうだ

この「そんなはずではなかった!」というのは日本の投票しなかった人たちの
気持ちに近くはないだろうか?
自民党の逮捕された議員を当選させたのは、選挙にいかなかった人の責任(選択)でもある

と言って、分別くさく投票にいかなかった人を批判する気はない
いかなかった気持ちも分からないではない
(面倒くさいし、自分らの声が反映されるかわからないし)

でも、一人ひとりは経験で賢くなるべきだとは思う
長期政権や一党独裁状態は必ず淀む、、
これは悲しいくらいの現実で、時と所を問わず人の有様はこうだ
肝心なのは政治的な力のバランスをとること、、それが知恵のような気がする

ということで、選挙にいかない人はブレーキ係役を演じるために
ちょいと足を運んで、批判票を選択するのもありかな、、と思ったりする

選挙は熱くなる人が多いので、こうしたお気楽な考えには
文句を言いたい人がいるだろうな

コメント
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