パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

年齢の壁

2025年03月14日 09時16分50秒 | 徒然なるままに

将棋の藤井聡太さんは22歳にして早くもタイトル獲得数が28期
一生かけて一つも獲得できない人が棋士の多い中
不公平なくらい、残酷なくらい偏っている
棋士のピークは通説では27歳前後らしい

これは同じ勝負事の囲碁でも似てるかもしれない
囲碁のタイトルを独占し国民栄誉賞を受賞した「魔王」
との渾名がある井山裕太さんは現在35歳だが
囲碁の最高峰のタイトル戦で27歳の一力遼さんに
3−4で逆転負けし棋聖復活はならなかった

将棋も囲碁も今はYoutubeで戦いの様子を見ることができる
棋士の解説があるものや、AI予想とか形勢判断を%で表しているものもある
井山さんは、昨日の最終戦も、その前の対局も終盤近くまで勝勢だった
しかし、それがあっという間にひっくり返った
囲碁も将棋も「敗着」と言われるものがある
勝着ではなく敗着 言い換えればミスで勝ちを失う
この敗着の可能性は多分歳を重ねると多くなっていくように思われる
そして7番勝負などではこの敗着は精神的にあとを引くと想像される

それは集中力の維持を含めた体力的な問題とアイデアの瞬発力の低下
のせいではないだろうか
囲碁大国の中国では成績上位の棋士はやはり若い人が中心となっていて
囲碁はスポーツのカテゴリーとして捉えられているそうだ
スプリント系のスポーツはどうしても年齢による低下は避けられない
サッカー選手としても寿命はそんなに長くない
35歳はもうベテランの域で、フルタイムで使われることは少なくなっている

年齢による総合的な力の低下は、経験でカバーしきれれば良いのだが
現実の勝負の世界ではどうもそういうことにはならないようだ
どうやら経験の分野はAIによってだいぶカバーされていると思われる

生きていれば誰でも年齢は増えていく現実は変えられない
かつて年上の棋士を次々と破っていった棋士も
今度は年下の棋士にかなわなくなっていく
それは大相撲力士が若手に勝てなくなっていく様子と似ている
井山さんも自覚しているように年齢との戦い大きな問題となっていくだろう

ところで若い時にピークを迎える能力は、スプリント系のスポーツの他に
数学的なひらめきもそうらしい
(ガロアは20歳頃には既に画期的なアイデアを思いついていた)
ノーベル賞を受賞した科学者も、調べてみると対象となった研究とかひらめきは
若い時のものが多かったようだ

若いということは、このようにとてもいいことのように思えるが
それでも年齢を重ねると良いものもある
それは経験によって深みを増す思索とか音楽表現
受け手も年齢を重ねないと感じられないような何か深いもの
そしてそれらは、若いひとのひらめきと同様に大きな価値を持つものと思われる

年寄りの小言は、いつかわかる!
最近は無理矢理にでもこう思うようにしている

それにしても勝負の世界というのは、厳しいものだなとつくづく思う
AIによる形勢判断では圧倒的に不利で、多分本人も自覚しているなかでも
最後まで勝利を諦めない精神力というのは、
一力さん、芝野虎丸さんを始めとするプロは本当にすごいものだと思う







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