the benefit of the doubtは、法律用語で、「証拠不十分の場合には被告に有利に解釈すること、不確かなときに相手によいように計らうこと」。
しかし、これは日常会話でも使われることがあるので、注意しよう。
今日のGetUpEnglishでは、この表現を学習する。
次のように、ごく普通の状況でよく用いられる。
○Practical Example
"The team Black Margarine used a dirty trick to win the game!"
"But we have no proof, Nagura. Let’s give them the benefit of the doubt."
「ブラック・マーガリン・チームは汚い手を使ってその試合に勝ったんです!」
「でも、名倉、証拠はない。まあ、今回はそういうことはなかったと善意に解釈してやろう」
●Extra Point
この表現を演説で見事に使いこなしたアメリカ人がいます。
それは故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson, 1958-2009)です。
◎Extra Example
"So what if they resent me when they grow older, what if they resent me how my choices impacted their youth? Why weren’t we given an average childhood like all the other kids, they might ask? And at that moment I pray that my children will give me the benefit of the doubt."
「ですから、子供たちは大人になって、ぼくのことを恨むかもしれません。ぼくの選択したことが、自分たちの若い頃に大きな影響を及ぼしたと、ぼくに対して怒りを覚えるかもしれません。自分たちは、ほかの子供たちみたいに、普通の子供時代をどうして過ごせなかったのだろう? そう子供たちは問いかけるかもしれません。そのときは、子供たちから証拠不十分による赦免を与えらえるように祈っています」
これはマイケル・ジャクソンが2001年にオックスフォード大学で行なった演説からの引用ですが、彼はここで自分の子供たちのパリス、プリンス、ブランケットのことを思いながら、こう言っているのだと思います。
マイケルのオックスフォード演説はほんとうにすばらしいですが、中でもこの部分はもっとも感動的な下りの一つです。
マイケル・ジャクソンのこの感動的な演説、ぜひご確認ください。上岡伸雄編著『名演説で学ぶアメリカの文化と社会』(研究社)には、この演説のこの部分の正確な英文スクリプトが掲載されているほか、詳しい解説も付いています。そして同封CDにはマイケルの生声も収録されています。
http://webshop.kenkyusha.co.jp/book/978-4-327-45226-1.html
http://www.amazon.co.jp/dp/4327452262
演説を使った学習法は、ここでも提案いたしました。
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20100406
明日からはまたしばらくアメリカ俗語を紹介します。