■宵山の情景
京都三大祭の一つに数えられる祇園祭、今年も既報ながら、いよいよその時期が近付いてきた。京都駅には祇園祭を案内する提灯が灯され、山鉾の組立もいよいよ、という段階である。本日は、昨年、同期で友人のT氏と共に見学した宵宵宵山の写真を掲載する。
祇園祭といえば、山鉾巡行が有名であるが、毎年平日に行われ、今年も17日、火曜日に行われる。従って、平日の昼間にカメラを抱えて観覧することは難しく、雨天でも十数万の観覧者が沿道を埋め、有料席以外では中々じっくりとみることはできない。
こうした中で、日曜日を含む山鉾巡行前の四日間にわたり催される宵山は、仕事帰りや大学からの帰路に立ち寄ることも出来る、身近な祇園祭といえる。宵山では山鉾が点灯し、四条通や烏丸通などの車道に大規模な交通規制が引かれ、車道などにおかれた山鉾を身近に見ることが出来る。
この他に、試験点灯の際に見物というのも、一つの楽しみ方である。写真は宵山の一日目の前日に試験点灯している様子である。写真からわかるように、屋台は試験営業していたい為、食べ歩きとは行かないが、じっくりと見るにはこの日が最適ではないかと思う。
試験点灯を終え、提灯を降ろした様子。白熱電球がむき出しとなっている。実質、宵山では夜景撮影に使用が推奨される三脚は、特に混雑している地域では使用不能である。何せ歩道も一方通行の規制がかかっており、閑散地区以外、三脚は周りに迷惑となるのでISOを800程度にあげるしかない。三脚を使うならば試験点灯の日であろう。
試験点灯、若しくは宵山の交通規制解除後は、自動車のヘッドライトが生み出す光の川に、ぽつんと浮く山鉾の写真が撮影できる。写真は長刀鉾。高さ25㍍、四条通の近代的なビル群に比肩する高さに驚かされる。宵山の前日であれば、四条通を通るバスは通常運行しているので便利だが、宵山や山鉾巡行の日には地下鉄利用が便利だ。
JR京都駅、近鉄京都駅からは205系統バス、地下鉄利用の場合は地下鉄烏丸線を四条駅へ、阪急線を利用する場合は阪急烏丸駅を利用する。京阪では京阪三条から徒歩三条通、新京極を経て四条通へ。経験上、人の波と共に流れていくと到達する。
山鉾はそれ一つ一つが博物館と形容され、また、その一つ一つで、祇園囃子が演奏される。また、一つ一つに謂れがあり、解説の説明書きが記されている。全部で32あり、中心部の山鉾には多くの観覧者がある為、一晩で回るのは大変かもしれない。
動く美術館、公開されているものをみても時代を感じさせるものがある。公開には一部拝観料が必要はものもあり、500円程度である。一部ではあるが囃子を演奏中の山車に乗ることも出来、普段とは違う視線から街並を眺められる。
写真は、宵山当日、ISO感度を上げ、片手を大きく突き上げて撮影したもので、屋台と共に多くの観光客が写っている。宵山では三日とも30万以上の人出がある。特に三条と四条の間は、人口密度も高く、あまり大荷物は勧められない。
狭い路地である姉小路、三条、六角、蛸薬師、錦小路、綾小路、仏光寺、高辻、松原、油小路、西洞院、新町、室町の通りも、一部が車輌全面通行止めとなる為、全てが観光客で満員となるわけではない。外縁付近は人口密度も低い。
烏丸通。不断は多くの車輌が通るこの道も交通規制で歩行者天国である。長刀鉾がある四条通に多くの観光客が集中する為、閑散としている。烏丸三条の喫茶店(河合塾の近くね)でアイスコーヒーを一杯やり、休憩した。愛煙家の友人もここで一服。しかし、近年の嫌煙権の過剰さは、ひとつ考える必要があると感じるのは小生だけであろうか。
こののち、友人と別れ、小生は所要の買い物をして撤収した。夜景の一部となった山鉾より流れる祇園囃子は、心に残るものであり、観覧を勧めたい。
さて、本論とは無関係ながら本日は七夕であり、同時に1937年の盧溝橋事件から70年を経たことになる。このことを記して念じるべく一筆書くと共に、冥福を祈りたい。
HARUNA
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